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医療相談室

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急性虫垂炎を薬で散らすが激痛続く 手術の適応は?

 35歳の兄についての相談です。今年3月、急性虫垂炎を発病して入院しています。医師から、開腹手術はせずに薬で散らす治療方針を示されたそうです。絶食と抗生物質の点滴をしているのですが、全く良くなる気配がありません。入院から約2週間、熱も38度台、白血球数値も約15000が続き、痛みも激しいそうです。体力も気力もなくなっている様子です。私から見たら重症に見えるのですが、手術はなかなかしないものでしょうか。それとも、手術ができない理由があるのでしょうか。(30歳女性)

症状の改善がない場合などでは緊急手術も

宮川秀一 豊田地域医療センター院長(愛知県豊田市)

 急性虫垂炎は、盲腸の先端に位置する虫垂に起こる急性炎症です。虫垂内腔の閉塞・狭窄による内圧の上昇に腸内細菌の増殖や循環障害が加わり、虫垂への細菌感染が起こった状態が急性虫垂炎の病因です。虫垂の閉塞には、糞石、異物、まれに腫瘍などが原因となります。

 その重症度から、カタル性、蜂窩織炎(ほうかしきえん)性、壊疽(えそ)性、穿孔(せんこう)性虫垂炎に分けられます。炎症が虫垂壁全体に及ぶと蜂窩織炎になり、右下腹部痛の程度も増し、持続性となり歩行で増強します。さらに炎症が進むと虫垂壁が壊死に陥り(壊死性虫垂炎)、周囲腹膜への炎症の拡大や穿孔(穿孔性虫垂炎)により限局性~汎発(はんぱつ)性腹膜炎を生じ、持続性の強い腹痛、発熱、腹膜刺激症状、筋性防御が見られます。また限局性膿瘍を形成した場合は腫瘤として触知されます。

 診断は、臨床所見、腹部触診、白血球増多、C反応性蛋白(C-reactive protein: CRP)上昇などから虫垂炎を疑いますが、確定診断には腹部CT検査、超音波検査などの画像診断必要です。

 治療は、症状が軽微なカタル性虫垂炎の場合には、絶食・点滴と抗菌薬投与による保存的治療を行うこともありますが、30%を超える再発があります。症状の改善のない、また増悪する場合には手術が遅れることのリスク、穿孔、膿瘍、術後感染、腸閉塞などを考え、急性腹症として緊急手術の適応となります。

 発症後数日を経過し腫瘤を形成している虫垂炎では全身状態が安定していれば保存的に経過を観察する場合や、ドレナージのみを行って1~2か月後に待機的虫垂切除を行うこともあります。(日本専門医制評価・認定機構協力)

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