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[遺伝のはなし]がん家系 ある特徴に要注意

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 「うちってがん家系?」

 そんな心配をしている方はいませんか。日本人の2人に1人ががんにかかる今、家系の中に複数のがん患者がいることはごく当たり前になりました。

 しかし、がん患者にある特徴がみられる場合、要注意だということをご存じでしょうか。

 その特徴とは、若くして発症している、1人の方がいくつもがんにかかっている、いくつかの特定のがんが家系にみられる、などがあります。

 例えば、男3人女3人の6人きょうだいのケース。70歳代以上で3人ががんになっても、それだけで遺伝性を疑うことにはなりません。高齢になればがんにかかる人は自然と増えるためです。しかし、女性3人全員が乳がんにかかったとなると、話は別です。「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」と呼ばれる遺伝性のがんの疑いが出てきます。

 大腸や子宮などにできる「リンチ症候群」と呼ばれる遺伝性のがんもあります。まずご本人や両親、祖父母などの病歴から遺伝性かどうかを区別することになります。

 診断するには、遺伝子検査を利用する方法があります。すべてのがんについて有効なわけではありませんが、遺伝性乳がん卵巣がん症候群やリンチ症候群は遺伝子検査ができます。

 「もしかして……」と心配な方はどうしたらいいのでしょう。

 まずは主治医にご相談ください。遺伝カウンセリングを行っている施設を紹介してもらうか、全国遺伝子医療部門連絡会議のホームページで最寄りの施設を確認してください。遺伝性腫瘍に対応できるかどうかは事前に確認する必要があります。(四元淳子、昭和大病院認定遺伝カウンセラー)

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