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(2)ドイツに学ぶ「ホームドクター」

ドイツでは、すべての人がホームドクターを持たなくてはなりません。ホームドクターを持たないと医療を受けられないのです。
みなさん、健康保険書をお持ちですよね。ドイツでは保険書を「この人」と思うホームドクターにあずけます。健康なときにホームドクターをみつけておいて、その医者に日常からどういう予防をしたらいいのかアドバイスを受けたり、健康診断をしてもらったりします。
そして、病気になったときにも、ホームドクターのところにいかなくてはいけません。そこが日本とまったく違うところです。脳梗塞で急に倒れたときなど「救急」のケースは別ですが、一般の病気で熱を出した、腰が痛い、という場合はホームドクターです。
ホームドクターは情況を聞いて、休養にいくか、なんらかの治療をするか、専門病院にいくか、そういう判断をするわけですね。
ホームドクターは患者さんのお父さん、子どもさんもみているでしょう。病気の原因には遺伝もありますし、家庭内での生活習慣もあります。そのお父さん、お母さんを知っていると、こういう可能性がありますよと、診断にとても役に立ちます。
ホームドクターはそれなりのトレーニングを受けています。
日本の開業医で、ホームドクターの役割をはたしている人はたくさんいますが、本当の意味ではホームドクターとは言えません。何かの専門医をやっていたのに、専門を追求するのをあきらめて開業する人もいます。これではホームドクターは育ちません。
ドイツでは、若い人が将来、ホームドクターという専門医になる教育を受けるのです。10年ぐらいトレーニングを受けて、ホームドクターのタイトルを取ります。脳外科や心臓外科にも劣らない、きちんとしたタイトルです。それだけ重要視されています。
日本人は病院をはしご?
日本はフリーアクセスだから、どこかの病院へぽっと行く。気にくわないから、こっちの病院へ行く。あっちの病院へ行く。病院のはしごをしているような人がたくさんいます。
気にくわないで、はしごするのですから、飲みに行っているのと同じようなわけです。そのようなことでは、わかる病気もわからないし、医療費を無駄に使ってしまいます。
ホームドクターは、自分の患者が糖尿病のために目が悪くなっていると判断すると、糖尿病の専門医に紹介します。患者はその治療が終わるとホームドクターのところに戻ってきます。だから無駄が少ないのです。
私はホームドクターより、マイドクターという言い方がいいと思っています。日本人も、まず自分のドクターを見つけることをするべきではないでしょうか。
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