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(1)日本にも「予防医学」必要

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 ドイツで30年の心臓手術執刀経験を持つ北関東循環器病院(群馬県渋川市)の南和友・院長が2月、読売新聞東京本社で「病気に負けないカラダの作り方」をテーマに講演しました。南院長は、病気の予防法について解説したほか、ドイツのホームドクター制度の概要を説明し、日本の医療界の問題点を指摘しました。参加したヨミドクターの有料会員からの質問にも、丁寧に答えました。講演の内容を紹介します。

北関東循環器病院院長 南和友(みなみ・かずとも)さん
 1946年、大阪府和泉市生まれ。1974年、京都府立医科大学卒業。1976年、ドイツ国費留学生としてデュッセルドルフ大学病院に留学、胸部・心臓・血管外科専門医となる。1984年、ドイツ・バードユーンハウンゼン市にある州立糖尿・心臓病センター主任外科医。2005年、ドイツ・ボッフム大学永代教授。同年、帰国して日本大学医学部教授。2010年、北関東循環器病院長。

 私は1976年から2005年まで30年、ドイツで医療をやっていました。日本の医療、日本の社会に興味を持ち、新聞に記事を出したり、本を出したりしていましたが、偶然、2005年に日本大学の方から教授をせよと呼ばれて帰ってきました。日本の医療には、良さもあるが、外にいると悪いところが目につきます。そういうお話をしていきたいと思います。

 病気でなければ健康と思っている人がたくさんいると思いますが、実際にはそうではありません。あの人、健康診断でなにも問題ないと言っていたのに、脳梗塞、心筋梗塞でコロッと亡くなってしまう、というのはよく聞く話です。健康と思っている人でも病気が潜んでいる可能性があるのです。

医療費の財政危機を「予防」するには

 病気は罹(かか)ってから治すのではなく、予防するものです。日本では「ないがいしろ」にされがちな視点ですね。

 病気を予防したら医者はお金になりません。病気になって、薬を出したり、注射したりして病院は成り立っています。しかし、病気を予防すれば、治療の時間はかからないし、お金もかからない。そうすれば医療費もセーブできるのでないでしょうか。

 医療費が高騰しているのを、皆さんもご存じと思います。読売新聞でも毎週のように取り上げていますが、いつまで健康保険医療制度を維持できるのか、私は危機感を持って話しています。

 日本では、保険でカバーされるのだから、CTとか、MRIとか、費用のかかる検査を普通にやってしまいます。健康保険のお金とは、どんなお金ですか。保険料もありますが、公費からも出ているわけです。みんなが払っている税金なのです。

 だからこそ、病気になる前に防ぐ、予防医学の考え方が必要なのです。

 日本にも、かつては「療養」という言葉があり、体こわしたら熱海へ行く、草津へ行くなどしていたのですが、やめてしまいました。今は病気になったら健康保険で病院にいくことになっています。由々しき問題です。

ドイツの事例

 私のいたドイツでは予防医学にお金をかけています。例えば、会社で働いている方がホームドクターに行って、体が疲れやすい、風邪をひきやすいなどと訴えます。でも、検査してみたら何ともない。日本ならこれで終わりですね。

 ドイツなら、「2週間ほど休養してください」などといわれます。健康保険から保養の費用がでるのです。

 保養施設に行って、2週間ぐらいマッサージ受けたりして過ごします。海辺に行くのもいいでしょう。内陸にも、ぜんそくの人にいい設備が整った施設があります。保養施設などへ行って病気になるのを防ぐのを保険制度上でやっています。そういうことも大事と思うのです。

 
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