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医療部発

コラム

フランス終末期医療(5)

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 日本ではまったく議論になっていませんが、ヨーロッパでは安楽死の是非についての議論が盛んなようです。オランダ、ベルギー、ルクセンブルクが安楽死を法律で認めているほか、スイスは安楽死法こそありませんが、もともと法的に自殺ほう助を認めているので、自国で安楽死できない人がやってくる「自殺ツアー」もあるそうです。

 フランスでは2005年に、延命措置の中止による尊厳死を認める法律ができました。この背景には、交通事故で全身がまひした青年が、当時のシラク大統領に安楽死を望む手紙を書いても認められず、2003年に母親に安楽死させられた事件が影響したようです。ただし、結局、安楽死は認めませんでした。ところが昨年5月に就任したオランド大統領は安楽死の合法化に賛成らしく、国内で激しい議論になっているそうです。せっかくの機会なので、取材で会った緩和ケア専門医に安楽死について聞いてみました。

 パリのポール・ブルス病院緩和ケア病棟の医師プルシェさんによると、緩和ケアを受けている患者の中には時々、安楽死を希望する人がいるそうです。理由を尋ねると「苦しみたくない」「家族に迷惑かけたくない」「(終末期の)悪いイメージを残したくない」などと答えるそうです。そんな患者にプルシェさんは「痛みは軽くできるし、家族に迷惑もかかりませんよ。それに、どんなにやせ細っても、家族はあなたに会いたいはずです」などと丁寧に説得するそうです。

 プルシェさんは「本当はまだ生きたいのに、ひどい状況になるのがいやで安楽死を望んでしまう。どのようにすれば、よりよく生きられるか、考えないといけません。さらには本人だけでなく、みとる側の家族のケアも大きな課題です」と話していました。

 パリの別の病院の緩和ケアの専門医は「もし安楽死法が可決されたら、医師をやめるか、その処置だけは他の医師に任せることになるのか、何とも言えません。国の決定は尊重したいと思いますが、自分にはできません」と正直な気持ちを語ってくれました。

 フランス緩和ケア・看取り協会(SFAP)のビンセント・モレル会長も「安楽死を望む人は、死ぬことで苦しみを消せると考えますが、緩和ケアはその苦しみを取り去るのが目的です。無理な延命もよくないですが、安楽死には反対です」と立場は明確でした。メディアでも積極的に安楽死法案反対の論陣を張っているそうです。

 簡単には安楽死法案が通るとは思えませんが、今度の動向に目が離せません。

藤田勝(ふじた・まさる)
2008年から医療部。終末期医療、大腸がん、皮膚疾患、耳・鼻の病気などを取材。アホウドリとアムールトラ好き。

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医療部発12最終300-300

読売新聞東京本社編集局 医療部

1997年に、医療分野を専門に取材する部署としてスタート。2013年4月に部の名称が「医療情報部」から「医療部」に変りました。長期連載「医療ルネサンス」の反響などについて、医療部の記者が交替で執筆します。

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4件 のコメント

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自分の命の責任は自分で負うしかない

現場主義

 医者達が病気を治すことについて日々研鑽を積んでいる一方で、ピンピンコロリが理想だと説く患者達が出会う場所。それが病院です。医療者側からみると意...

 医者達が病気を治すことについて日々研鑽を積んでいる一方で、ピンピンコロリが理想だと説く患者達が出会う場所。それが病院です。医療者側からみると意識もなく胃ろうで生命を維持している人たちを治療に仕向けているのは医者ではなく家族であることがとても多いと思います。
どういう生き方、逝き方を臨むかは人それぞれだと思いますが、本人の代わりになって意思表明をするはずの家族が、決断できずにいるのです。家族が真剣に「生きていて欲しい」という願いは嘘偽りなく純粋なものだと思いますし、家族とは言え自分の考えを本人に押し付けてしまってよいものか解らないという状況から抜け出せないのだと思います。
 「もう充分です」と言って医療から距離をとるためには、それなりの覚悟が必要です。家族は充分に家族としての役割を果たしたと思えないときに、延命を図ることで自分たちの責任を果たしたかのように責任を転嫁することが多々あります。無責任のようにも映りますが、本人の意向がわからなければ無理もないことだと思います。
 患者の権利として自己決定権が認められるようになった今、自分の命の責任は自分で負う必要があると思うのです。しかし、そういったフォーマットは尊厳死協会の延命治療は拒否するという抽象的なものしかありません。そうではなくてもっと具体的に自分の最期を指定できるフォーマットが必要なのではないでしょうか?
 人の最期はどうあるべきかと言う問題は正解があるわけではなく人それぞれだと思います。それぞれの思いを具現化する手段がないために現場が混乱しているのだと思います。
 各自が自分の問題として答えを用意する必要があると思うし、家族はその意向にそって本人を支えてあげることが本来の姿だと思います。

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必要以上に生きるのは幸か不幸か。

うたたね

私は今63歳です、自分の考えでは男子の健康寿命は75歳ぐらいと思いますが、ボケたり寝たきりで長生きはごめんです。しかし思いどうりにはいかないこと...

私は今63歳です、自分の考えでは男子の健康寿命は75歳ぐらいと思いますが、ボケたり寝たきりで長生きはごめんです。しかし思いどうりにはいかないことも承知しております。看護介護も期日限定ならば多くの人は出来るでしょうが半年が一年、一年が二年、二年が三年・・・十年も続く場合も少なくありません、当事者にしか判らない辛苦です、人間らしく生きるということは自分の日々の始末が出来ることが基本であって、個人の経歴、財産、家族構成にもよりますが、動物のように最後は自然にもどるように静かに去りたいものですが、人間は悲しくもわけにはいきません。最悪な共倒れは悲惨の極みだとおもいませんか、 私は本人の意思表示が出来る場合と、不可でも家族の熟慮同意があれば安楽死も有りだと思います。迷いの中での判断は避けるべきで、確認は間を置き三回は必要か思います、
このような話を会社の産業医の先生に面談の時に話しましたところ、先生は否定も肯定もなく、あなたが75歳になったとき同じ気持ちであるか否かが答えですと、私は同じと思いますが、先生は明日のことも判らないのになんで十年以上の先のことがと・・・・・あるがままにとのことでしょうか??自問自答が続き進行中です。妻と娘は、酒もタバコも多いので近日中だと。

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義弟が自殺しました

くう

なんの前触れもなく、20代で夫の弟が絞首自殺をしました。両親は末期がんで死にました。「死」というものに無頓着だった自分でしたがいつでも死がすぐ傍...

なんの前触れもなく、20代で夫の弟が絞首自殺をしました。両親は末期がんで死にました。「死」というものに無頓着だった自分でしたがいつでも死がすぐ傍にあるのだと思うようになりました。日本の療養病院では、寝たきりの胃ろう老人をたくさんみかけます。意思も発せないのに栄養状態はいいものだから長い方で10年以上、ケアを受けながら入院しています。「死」を考えることは「生」を考えることなのだと今思います。医師は「なんとか生かしたい」と一生懸命考えてくれていることはわかります。でも「どう活きたいか」はそれぞれなのではないかと感じています。医療分野で働いている自分自身にも言えることですが医療は人を「生かす」ことができても「活かす」ことはできません。人の命は限られています。最善の医療が最善の生きがいにはならないことを医療従事者はもう少し知るべきではないかと感じます。いずれ誰でも死にます。自分はもう死にたいと思って逝ってしまった弟と、もっと生きたいと思いながら逝ってしまった両親と、どちらが「幸せ」だったのでしょうか?(生きたいと望んだ両親は緩和ケア病院にいました、今の医療では対応できませんでした。好きな食べ物を食べることも医師から反対されできませんでした。)「死」を当然のものとして受け入れたうえでの医療が成り立つことを願います。

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