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からだコラム

[遺伝のはなし]新型出生前診断 重い結果

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 妊婦の採血で染色体の病気が高い精度でわかる新型出生前診断が、今月始まりました。私の勤務する昭和大病院では1日、検査を受ける前の遺伝カウンセリングが始まり、5人の妊婦さんが受診しました。

 その一人、30歳代後半の女性は、初めての妊娠です。とても喜んだのですが、赤ちゃんの健康のことが不安にもなりました。母親の年齢が上がるにつれて染色体の病気が増えることは何となく知っていましたが、ネット上の様々な情報を読むうちに、自分の子も染色体の病気なのでは、と怖くなったのです。

 調べるうちに、新しい検査のことを知りました。妊娠10週以降に20ccほど採血するだけ。流産の危険がある羊水検査と違って、安全かつ簡単に受けられます。かかりつけ医に紹介状を書いてもらい、昭和大病院へ。せっかく授かった命、流産の危険は避けたかったのです。

 女性は夫と一緒に説明を聞き、検査の仕組みや対象とする病気、結果の解釈などをきちんと理解しました。遺伝カウンセラーである私とよく話し合い、生まれてくる子どものことを真剣に考えました。

 染色体の病気のある子どもを責任をもって育てられるのか、自分たちが死んでしまったあと、子どもひとりで大丈夫なのか、いっしょの時間はどれくらいあるのか……。

 悩みに悩んだ結果、夫婦は検査を受けることを決め、採血しました。結果が分かるのは2週間後ですが、得られる結果はとても重いものです。検査について十分に理解し考えることが、妊婦さんにも医療者にも求められています。(四元淳子、昭和大病院認定遺伝カウンセラー)

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