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高齢者の医療費支える仕組み

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 増え続ける高齢者の医療費。誰がどう負担しているの?

現役世代に重い負担

作図・デザイン課 吉田均

 65歳以上の高齢者の医療費は、今や年間20兆円を超える膨大な額だ。高齢者自身の保険料や窓口負担だけでまかなうことはできないため、現役世代が支援している。

 支援の仕組みは、75歳未満と75歳以上とで異なる。65歳から74歳までの「前期高齢者」は、現役世代と同じ医療保険に加入する。自営業者や無職の人などは国民健康保険(国保)、大企業の社員などは健保組合、中小企業の社員などは協会けんぽだ。

 会社員なども退職後は国保に移る人が多く、国保の医療費はかさむ。そこで、健保組合や協会けんぽが、加入者数などに応じた「納付金」を出して支援する。「財政調整」という仕組みだ。納付金は、2013年度予算ベースで約2兆9000億円に上る。

 75歳以上の人は、「後期高齢者医療制度」に入る。現役世代の医療保険から独立した制度で、都道府県単位の広域連合が運営する。自己負担分を除く医療費のうち、5割を公費(税金)で負担。残りの1割弱は高齢者の保険料、4割を現役世代からの「支援金」でまかなう。支援金は約5兆8000億円だ。

 今の高齢者医療制度は08年にスタート。以前の「老人保健制度」は、75歳以上も現役世代と同じ制度に加入したまま、高齢者の医療費をやりくりした。現役世代と高齢者との負担割合がわかりにくいうえ、医療費の抑制が難しく、現役世代の負担が際限なく増える恐れがあったため、改革が行われた。

 ただ、依然として現役世代の負担は重い。特に財政基盤の弱い協会けんぽは、支援金の影響で大幅赤字に。健保組合でも、負担増に耐えきれず解散する例が増えている。

 このため、高齢者にも応分の負担を求めるべきだとの声が高まっている。例えば70~74歳の自己負担は、08年から原則2割になるはずが、特例措置で1割のまま。これをいつ解除するかが課題だ。

 後期高齢者医療制度への支援金も、主に加入者数で決める方式を改め、加入者の賃金額に応じて決める方式にすることが議論されている。

 超高齢社会へ向けて、現役世代も高齢者も納得できる負担の仕組みが求められる。(針原陽子)

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