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ミチコさんの人“性”塾

yomiDr.記事アーカイブ

「母性愛」は女性だけのもの?

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【質問】
 「母性愛」とか「父性愛」とか、特別な愛情はあるのですか。

【答え】
 母性愛は子どもを優しく包み込み、育もうとする愛情。そんなふうに言われています。そして従来、これは女性が生まれつき持っている本能的なもの先天的なものとされてきました。

 果たしてそうでしょうか。人間は本能的な存在ではすでになくなっています。子どもを愛し、包み込む、こうした愛情はわが子とともに自分が成長しながら、その体験の中で育てていく、育っていくものなのです。

 実際に子どもを育てた女性の方に聞いてみますと、ほとんどの方が、子どもを産み育てていくその関係の中で、自分の子どもへの愛情(母性愛)が大きく生まれ育ってきた、つまり子育ては親育てだった、こう言われます。

 こうした女の人の母性愛に対して、それでは父親はどうなのでしょうか。父性愛というのは、子どもの父親として当然備えるべき能力です。ところが、女の人の母性愛に対して父性愛というのはあまり言われてきませんでした。

 そういえば、ずっと以前、「クレイマー・クレイマー」というアメリカの映画がたいそう評判になったことがありました。この映画では、仕事人間であったミスター・クレイマーが、妻の家出によってわが子(男の子)を育てなければいけない、それを余儀なくされる、そういう境遇に追いこまれます。

 しかし、男の子と自分、息子と父親としての日常の生活が動き出して見ると、なんとこのミスター・クレイマーの中に、わが子への無償の愛情、そういうものがふくれあがっていくのです。

 この映画は見事に父性愛というものを、わが子との暮らしの中で母親の愛情と同じように、大きく育っていくものなんだということを私たちに教えてくれます。

 日本も男は仕事、女は家事・育児の時代を乗り越え、男女共、子育ての時代に突入しました。学校の家庭科は、今は、男女共に必修科目です。

 国連で採択された女性差別撤廃条約では、「子どもの養育は、男女及び社会全体が責任をもつべきである」と記されています。

 子育てをもっぱら女性に押しつけて責任を放棄しがちな男性に、あるいは社会に対して共同責任を規定しています。育児をすることが女性の母性本能である、そういう風潮や偏見にはきっぱりと終止符を打ちましょう。

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高柳美知子さんブログ_顔87

高柳美知子(たかやなぎ・みちこ)

1931(昭和6)年、東京生まれ。中学・高校の国語教師などを経て、現在は“人間と性”教育研究所所長。

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3件 のコメント

愛情

ねむの木・るるる

子どもに対する愛情は、母親だからとか父親だからとか、特別な固有のものではなくて、子育てをする中で、それぞれに自然に備わっていくものではないかなと...

子どもに対する愛情は、母親だからとか父親だからとか、特別な固有のものではなくて、
子育てをする中で、それぞれに自然に備わっていくものではないかなと思います。
わたしは産休明けから保育園に頼んで、仕事と子育てをしてきました。
子どもはしょっちゅう風邪をひいたり、水疱瘡になったり。
いろんな感染症にかかりながら、丈夫なからだに育ちました。
保育園を休まねばならないときは、わたしの母が面倒をみてくれたので、
母にはおばあちゃんとしての愛情がたくさん育った(?)と思います。
わたしも母のようなおばあちゃんになりたいと思うのですが…、
遠方で働く25歳の娘は、次々と任される仕事にやりがいを持って取り組んでいるようです。
同じ職場の彼もまた遅くまで仕事をしているそうです。早すぎますが、
もしも2人に子どもが生まれたら、2人だけで育てていけるのかなと思います。
今の社会、仕事をとるか、子育てをとるかと女性に突きつけられている気がします。
愛情こめてゆったりとした気持ちで育てたいと思っていても、二重保育、三重保育で
へとへとになっているお母さんがたくさんいます。
やりがいのある仕事を手放したくない気持ちもわかります。
いったん辞めたら同じ部署に戻ることは不可能といっても過言ではないのですから。
夫婦とも非正規雇用などの場合は、子どもを持つこと自体をあきらめている人もいます。
時間があってもお金がなければ子育てはできません。
正社員、パートにかかわらず、安心して子育てできる社会になってほしいものです。
子どもは宝。次の社会の担い手。人類の希望なのですから。

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科学的に男女差はやはりあるようです

じぞう

テレビ番組で放送されていた内容ですが、母性、父性といった男女差はあるようです。例えば子どもから見た場合には、「母親にやってもらうと心休まる」こと...

テレビ番組で放送されていた内容ですが、母性、父性といった男女差はあるようです。
例えば子どもから見た場合には、「母親にやってもらうと心休まる」ことでも「父親にやってもらったのでは安心できない」というものがあるようです。
同様に、父親は父親として果たすべき役割があるようで、何でも男女平等にすればよいというものではないようです。

[未来はどんなだろう]さんの指摘にもありますが、私も「男女の区別なく働いて子育てをしている国が先進的」だとは思えません。
むしろ「子育てを母親へ少し偏重させている日本」が動物としての男女の生理をうまく活かしている、先進的な国だと思います。
野生の動物はオスとメスとでは役割が明確に区別されていますよね。何でも動物的にすればいいとまでは思いませんが、人間はマシーンではありませんので、生理的に無理がある部分まで「男女平等」にこだわるとかえってストレスが増えると思います。
日本ではあまり報道されていませんが、海外でも「子育ては女性が主役になるべきだ」とか「子育て期は、母親は仕事を優先せず子育てを優先させたほうが良いのではないか」という論調もあります。

女性は仕事をするな、とは思いませんが、少し方の力を抜いて「母親として子育てできる時代を楽しむ」ことができると良いのではないかと思います。
また男性も“仕事だけしていればいい”とか“子育てしなくてもいい”とは思いませんが、子育てに関しては“母親の不安をなくしてあげる、母親のサポート係”という立ち位置がちょうどよいのではないかと思います。

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自分自分の世紀は終焉

未来はどんなだろう

母性、父性というものはあるのか。あると思います。ただ物としてあるのじゃなくて、行動という実態のない状態で存在するのではないでしょうか。古くは慈悲...

母性、父性というものはあるのか。
あると思います。
ただ物としてあるのじゃなくて、行動という実態のない状態で存在するのではないでしょうか。
古くは慈悲という慈愛、悲愛ということ。
妊娠すれば胎児は必要なものを容赦なく母体から奪っていきますよね。それを母は許すから自分を犠牲にして与える行動を非得。生まれてきた子供を可愛がり、そして厳しく得を施してまた父母になる用意をさせる慈得。

こんな感じで母性、父性ということを説明されている。
映画は子供は容赦なく時間を奪い取りますけど、親はそれを与えます、将来社会にでていく事を考えて育てていきます。
母性、父性はだれでもできる行動だから特別じゃないし、男女ともにもっている能力でしょう。

社会は男性が便利にしすぎました。
家を守るとはご近所さんと女性がコロニーを作るようなものでしょう。外で働くとは女性に有利なキッチンのシンクやエアコンをつくることでしょう。
ともに別の能力を別の場所でつくりもちよりながら子供を育てる。乳のでない母がいればご近所さんが与えてくれる。

今の日本は世界から遅れているのではなく、世界のトップだと思います。家の中の設備、電気ガス水道、正確に運行される乗り物、商店ではお辞儀をしてくれる。
でも共稼ぎしないと子供に教育やいい住まいを作れないという反面もありますね。
便利もほどほど、働くのもほどほど、1ヶ月の長期休暇もほどほど好きなときに取れるといいとは思います。

あそこがこうだから、それが欲しい。
だから皆で決めてしまおう。
もう20世紀の亡霊は追い出したいですね。

核家族化の弊害もでているでしょう。
大家族というのもいいものですという見直しでも、のんびりと21世紀で考えて22世紀に実現もいいかもしれません。

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