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ケアノート

医療・健康・介護のコラム

[春やすこさん]「協力求め介護」に共感…読者の反響

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「ええ格好せん」介護の体験談が共感を呼んだやすこさん。「近所の人や友人が、自分のつらさを気に留めてくれる、と思えるだけでも心が軽くなる」と話す=長沖真未撮影

 タレント春やすこさん(51)の「ケアノート」に、読者から手紙やメールが相次いで寄せられた。周囲の協力を得ながら、前向きに自宅で両親を介護する姿が共感を呼んだようだ。

介護者支える仕組み欠かせず

 やすこさんは、「要介護5」の父(80)と、「要介護3」の母(76)を自宅で世話している。当初は介護を一人で背負い込み、心労で体調を崩すこともあったが、ケアマネジャーからデイサービスの利用を勧められたことが転機になった。

 当初は介護を人任せにするようでためらいもあったというが、周囲の助言で利用を決意した。家族、友人や公的サービスに頼り、「ええ格好せん介護が大切」と語った。

 87歳の母を世話しているという茨城県の女性は、介護に専念するため、20年間勤務してきた会社を退職。「自分を犠牲にしてきた」と振り返る。「育ててくれたことに感謝し、親を介護するのは子どもとして当然の義務」としながらも、自身の経験から「周りに助けを求めることが、結果的に自分にも母にも良い選択だと思う」とつづった。

 介護を受ける側からも賛同の声が上がった。脳出血で左半身がマヒした埼玉県所沢市の風間(さとし)さん(65)は妻に頼りきりの生活だったが、2年が過ぎた頃、「妻の自由を奪ってしまった」ことを後悔。現在は週4日、デイサービスに通っているといい、「少しは妻も息抜きができるようになったかな」と気遣う。

 一方で、東京都内の女性(50)からは「両親がデイサービスに行ってくれない」という悩みも寄せられた。母親の認知症の症状が進んでいるが、本人が認めようとしないという。女性は「2人がいなければと思ってしまうこともあって、そんな自分に腹が立つ。精神的にボロボロで、お風呂で一人、泣くしかない」と苦境を明かした。

 家族など無償の介護者(ケアラー)を支える「日本ケアラー連盟」などの調査によると、5世帯に1世帯の割合で、ケアラーによる介護が行われ、そのうち25%が1人で複数の人の面倒を見る「多重介護」。ケアラーの5人に1人は信頼して相談できる相手がなく、約半数が体の不調を感じているという結果が出た。

 同連盟は「介護する側が心身ともに健全でなければ、より良い介護に結びつかない。孤立を防ぐためにもケアラーを支援する仕組みが欠かせない」と指摘している。(田島武文)

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