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遺伝のはなし

からだコラム

[遺伝のはなし]病的変異 誰にも起こり得る

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 遺伝子が原因の病気があることは皆さんもご存じですね。でも実は、最初から病気を引き起こす特別な遺伝子があるわけではありません。誰もが持っている遺伝子で、病的な変異が起これば病気になるのです。

 Mさんは、ある遺伝性の免疫の病気と診断されていました。生まれつき感染症にかかりやすく、小さい頃は入退院を繰り返したそうです。親や親族らに同じ病気の人はおらず、突然変異の可能性が高いと考えられましたが、子どもに遺伝することを心配し、これまで妊娠については積極的に考えてきませんでした。

 しかし、遺伝カウンセリングを受け、遺伝子の変異は誰にでも起こり得ること、病気自体は治せなくとも治療法は良くなっていること、仮に赤ちゃんが同じ病気でも、夫とともに支え合っていけることなどを確認。子どもを産んでみようと思うようになりました。

 Mさんは血液を採取し、遺伝子を調べる「遺伝子検査」を受けました。遺伝子の病的な変異が確認されたのですが、「理由がはっきりわかってよかった」と話していました。その後まもなく妊娠。無事に赤ちゃんを出産しました。

 2万数千個といわれる遺伝子のたった一つの変異で、とても重い病気になることがあります。同じ遺伝子内の変異でも、場所や変異の種類によっては、まったく無害なこともあります。

 遺伝子の変異は、自分ではコントロールできません。病気になるかならないかは全くの偶然ともいえ、誰のせいでもありません。遺伝子変異のない完全な人間はどこにもいないのです。(四元淳子、昭和大病院認定遺伝カウンセラー)

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