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子ども・子育て会議、来月から

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 4月から、育児中の親や保育園などの子育て関係者が加わる国の会議が発足するとか。どんな会議ですか?

保育サービス価格を決定

作図・デザイン課 安芸智崇

 これは「子ども・子育て会議」と呼ばれる審議会で、昨夏に成立した子育て関連新法で創設が決まった。

 同法により、2015年度から、保育所や放課後児童クラブなどの子どもの制度が拡充される。各市町村は新制度の運営を担当し、様々な保育サービスや子育て支援などの事業計画を策定することになっている。その参考とするための「基本指針」などを、議論してまとめるのが「子ども・子育て会議」だ。

 子育ての施策を、より利用者のニーズに合ったものにして、かつ効率的な制度運用ができるよう、子育ての当事者や支援者などが意見を出し合う場が必要と判断され、設置されることになった。

 会議は、保護者代表のほか、知事や市町村長、労使、幼稚園や保育園、子育て支援NPOの関係者など、25人以内の委員で構成される。基本指針のほか、「幼保連携型認定こども園」の面積や人員配置基準の見直しや、多様な保育サービスの価格など多くのことをここで決めるため、関係者の関心は高い。

 また、同法は、各都道府県や市町村にも「地方版子ども・子育て会議」を設置するよう求めている。2015年度までに全ての都道府県や市町村が策定する子育ての事業計画に、地域の当事者のニーズを反映するため、国の会議を参考にした多様な構成とすることが期待されている。

 国や地方の会議は、新制度がスタートした後も、施策や事業がニーズに見合っているかどうかを定期的に確認し、必要な見直しを行っていく役割も担うことになっている。

 ただ、モデルとされたフランスの「全国家族会議」(2009年以降は「家族高等評議会」へ移行)は、首相や関係閣僚らも出席して、強い権限と政策の実行力を持っていたのに対し、日本の会議は審議会形式で、どれくらいの影響力を持てるかは不明だ。

 また、地方版の会議は、自治体の「努力義務」となっていることから、4月からの設置を決めている都道府県や市町村はまだ一部にとどまっている。それぞれの自治体でも会議が設置され、住民の声が子育て施策に的確に反映されるかは、注視していく必要がありそうだ。(樋口郁子)

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