文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

あなたと家庭医

からだコラム

[あなたと家庭医]社会に開かれた医療を

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 医療界では「多職種間連携」とか「専門職間連携」という言葉が流行(はや)っています。医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカーなどがしっかり連携してチーム医療をしようという考えからです。しかし先日、ある人から「専門職間連携って企業では当たり前ですよ。医療では今まで専門職同士で連携していなかったのですか?」と聞かれ、はっとしたことがありました。

 このように医療界の常識で、社会の非常識ということはたくさんあります。いまだに医師は「先生」と呼ばれます。これは一種、専門職としての敬意を込めた呼び方ですが、今では完全に形骸化していると言っていいでしょう。

 私が変だと感じるのは、医療従事者だけで集まっていても、医師は「~先生」と呼び、他の職種は「~さん」と呼ばれます。つまり医療従事者の中でも医師だけは特別待遇という訳です。これで本当のチーム医療はできるのでしょうか。

 私は、医療界はもっと社会に開かれて行くべきであると思っています。20年前に比べると、インフォームドコンセント(十分な説明と同意)の普及、説明責任の高まりなど少しずつ進歩してきましたが、まだ医療界は閉鎖的です。医療従事者と市民が一緒に地域の健康や医療を考える活動なども多くありません。

 これからの時代は、健康を決める主体が専門家から市民に移ります。無用な医療を受けずにすむ社会、社会全体で健康を考える時代にならなければなりません。そのための一歩を踏み出してみませんか。

 今回で私の連載も最終回です。読んでいただいた皆さまに心から感謝します。(孫大輔、家庭医療専門医)

(おわり)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

karada_400b

 
 

からだコラムの一覧を見る

あなたと家庭医

最新記事