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[小学生の部・優秀賞] 一型糖尿病を発症して

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原澤 知里(はらさわ ちさと) 福岡・小学6年生

 私は今年の五月に一型糖尿病という病気を発症しました。この病気は小学校高学年から中学校にかけて発病することが多く、十万人に一・五人の割合で発病するそうです。そんな難病にかかってしまった私。毎日五回の自己注射、血糖測定、甘い物をひかえたりして不安や疑問で頭がいっぱいでした。この先どのように生きていったらいいかわからずとても絶望的な毎日でした。

 そんな時、母親にすすめられて同じ病気の子たちが集まる「ヤングホークスサマーキャンプ」に行くことになりました。私はこのキャンプでたくさんのことを学び、そして大きな夢を持つことになったのです。

 キャンプの会場に行って、私はびっくりしたことがあります。それは、男の子も女の子もみんな笑顔で遊んでいたからです。私はキャンプに来る人たちは、みんな病気のことを悩んでいるだろうととても暗いイメージをもっていたけどみんな本当に楽しそうでした。

 山登り、運動会、花火など、たくさん楽しい行事がありました。私はヘルパーさんや友達に悩みをうちあけて、もうすっかり明るい自分にもどっていました。

 先生やヘルパーさんに本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 そして私が一番心に残ったことは、注射と血糖測定の時間です。キャンプには5才ぐらいの子たちもいました。私はきっと小さい子たちはヘルパーさんが手伝ってあげるのかと思っていました。ところが、小さい子たちもみんな一人でしていたのでびっくりしました。その姿を見て私は自分も小さい子のお手本になるようにがんばろうと思いました。

 私はキャンプが終わった後もしっかり自己注射をして血糖もうまくコントロールしています。そして、自分が少し成長したようにも思います。心も強くなったと思います。

 私は過去に一型糖尿病になって医者になった人を知っています。だから私も努力して、「人を救うことができる仕事がしたい。」と思い最近は勉強にはげんでいます。

 今この病気は、注射や血糖をコントロールしなければいけません。しかし十年後、二十年後には医学がすすんで治る病気になっているかもしれません。だから希望をもって私は前向きに生きようと思います。

 

第31回「心に残る医療」体験記コンクールには、全国から医療や介護にまつわる体験や思い出をつづった作文が寄せられました。入賞・入選した19作品を紹介します。

主催:日本医師会、読売新聞社
後援:厚生労働省
協賛:アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)

審査委員:落合恵子(作家)、竹下景子(俳優)、ねじめ正一(作家・詩人)、原徳壽(厚生労働省医政局長)、外池徹(アフラック社長)、石川広己(日本医師会常任理事)、南砂(読売新聞東京本社編集局次長兼医療情報部長)<敬称略>

 

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