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摂食障害 自助の会25年

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 拒食症や過食症など「摂食障害」に悩む人たちでつくる自助グループ「NABA(ナバ)」(東京)が、設立25周年を迎えた。本人や家族のための情報交換の場作りや電話相談、会報発行など、資金難に苦しみながらも幅広い支援を続けてきた。3月には記念フォーラムを東京で開く。

 「ナバ」の正式名称は「日本アノレキシア(拒食症)・ブリミア(過食症)協会」。摂食障害という言葉が一般的ではなかった1987年に精神科医が中心となり発足した。

 孤独や生きづらさなどから食べ物を受け付けない、あるいは過食や嘔吐(おうと)を繰り返すといった症状は、協会発足当時、若い女性特有とみられていた。ところが、「この25年で認知度が高まり、育児中の女性や中高年など幅広く相談が寄せられるようになった」とナバ共同代表の鶴田桃エさん(50)。ダイエットや過度のストレスから、摂食障害を引き起こす人も多いという。

 年間約2500件寄せられる電話相談のうち、9割以上は女性だが、最近は男性も増えてきた。同会事務局長の高橋直樹さん(29)もその一人。高校時代から過食と嘔吐を繰り返し、身長が176センチあるのに、体重は40キロを下回ったこともあった。栄養失調などで入院も経験。書籍でナバを知り、2005年に入会。当事者同士で体験を話したり聞いたりしているうちに、症状は落ち着いていったという。

 「当初は病気を恥じ、将来にも大きな不安を感じていたが、仲間と話すうちにいろんな生き方があっていいと思えるようになった」と高橋さんは話す。

 政策研究大学院大学保健管理センター教授の鈴木真理さんによると、拒食症に苦しむ中3女子は1000人に約4人、女子高校生は約2・5人に上るといい、増加傾向だという。「病院を受診しない人も多く、把握は難しいが、軽度の人や過食症の人も含めれば、患者数は数十万人に上るとみられる」と話す。

 ナバの会員は10~60代の約200人。真面目で完璧主義の人が多いことから「いいかげんに生きよう」を会のモットーに掲げている。地方の人も参加できるよう会報発行や電話相談に応じているほか、長野や新潟、京都、神戸など全国10か所に姉妹グループもできた。また、自助グループなどに呼びかけ、全国大会を開いたり、他の病気に悩む自助グループと連携したりする試みも行っている。

 「拒食や過食は本人ですら気づかない心のシグナルの現れでもある。無理に治そうとするのではなく、仲間と助け合い、成長し合える場を提供していきたい」と鶴田さんは話している。

 入会希望者は、申込書に記入の上、入会金と年会費合わせて1万5000円が必要となる。

 協会設立25周年を記念し、3月24日午前10時、東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターでフォーラム「生き残るために必要だったこと」が開かれる。摂食障害の経験者らが語るほか、社会学者の上野千鶴子さんらが話す。参加費2500円。要予約。問い合わせは、ナバ(03・3302・0710=午後1時~4時)へ。(板東玲子)

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