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最新医療~夕刊からだ面より

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インフルエンザ…猛威 成人患者が半数超え

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 インフルエンザが流行している。昨季に続きA香港型が9割近くを占める一方で、今季は成人患者の割合が半数を超えているのが特徴だ。十分な手洗いなどを心がけ、かかったら直ちに抗インフルエンザウイルス薬で治療する。熱が下がっても数日は体内にウイルスが残っているので注意しよう。


 

解熱後も残るウイルス 静養必要

 国立感染症研究所感染症情報センターのまとめによると、全国の小児科や内科など約5000医療機関の1施設あたりの患者数は、2012年12月半ばに流行の目安である1を超えた。13年第4週(1月21~27日)は36・44人に増え、推計患者数は約214万人に達した。

 検出されたウイルスを調べると、A香港型が最も多く89%を占める。B型が7%。09年に発生した「インフルエンザ(H1N1)2009」は4%だ。

 インフルエンザは例年、子どもを中心に流行するが、今季は20歳代以上の成人患者が55%に上っている。けいゆう病院(横浜市)小児科の菅谷憲夫さんは「昨季はA香港型の変異が大きく、多くの子どもが感染した。昨季感染しなかった大人は免疫を持っておらず、逆に今季はかかりやすいのではないか」と推測する。

 主な感染原因は、せきやくしゃみなどで空気中に飛散する細かいつばなどによる「飛沫(ひまつ)感染」と、ウイルスが付着した手で口や喉、鼻などに触れてうつる「接触感染」の二つだ。

 感染防止の基本は手洗い。手の甲だけでなく手首や指先、指と指の間を、せっけんと流水で15秒以上洗う。濃度が60~80度の速乾性のアルコール消毒剤も、ウイルスを死滅させるのに効果的だ。

 ワクチンは肺や気管支でのウイルスへの抵抗力を高めるが、主な感染経路である喉や鼻の粘膜には作用しないとされる。発症や重症化を抑える効果は期待できるが、過信は禁物だ。

 感染を広げないためには、「せきエチケット」を心がける。マスクは、鼻筋に合うように鼻と口を覆い、ひもを耳に固定し、1日1枚を目安に使い捨てにする。マスクがない時は、ティッシュなどで口や鼻を覆い、人から顔を背ける。覆うものがない時は、袖口で口を押さえる。

 発症時には、抗インフルエンザウイルス薬で治療する。使える薬はここ数年で増え、2000年代初めから使われてきたタミフル(経口薬)やリレンザ(吸入薬)に、10年からは点滴薬のラピアクタと吸入薬のイナビルが加わった。

 ラピアクタは、肺炎や嘔吐(おうと)などで飲み薬や吸入薬を使うのが難しい場合に使えるのが利点だ。また、吸入薬のイナビルは、1回の服用で済む。

 発症後、最長約1週間は、体内にウイルスが残るとされる。感染の拡大を防ぐため、文部科学省は12年に学校保健安全法の規則を改め、発症後5日かつ解熱後2日(幼児は3日)までは、出席停止としている。

 菅谷さんは「薬を使った翌日に熱が下がる時もあるが、少なくとも発症から5日間は焦らずに静養してほしい」と話す。(野村昌玄)

 

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