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消費者被害 かるたで防ぐ…易しい「啓発」寸劇台本も
遊びや寸劇を通して、消費者トラブルの対処法を啓発する取り組みが広がっている。消費者問題を題材にしたかるたを無料配布したり、地域の集まりで誰でも演じられる寸劇用の台本を作成したり。高齢者や子どもらに、消費者問題に関心を持ってもらうのが目的だ。
る 「留守電が、詐欺から守る盾となる」
お 「押しかけて『金売れ銀売れ』押し返せ」
ゆ 「床下の点検、
消費者トラブルを未然に防ぐため内閣府と消費者庁、警察庁、金融庁が連携して昨年10月に作った「未然かるた」の読み札の一部だ。振り込め詐欺や貴金属の押し買い、点検商法など、高齢者が被害に遭いやすいトラブルを、各府庁の担当者らが句にした。
かるたは、政府広報のホームページ(http://www.gov-online.go.jp/tokusyu/201209/osabaki/carta.html)から画像をダウンロードできる。札は46種類あり、必要に応じて厚紙を貼るなどして使う。かるたは通常、読み札と絵札に分かれているが、未然かるたは読み札と絵札が同じデザイン。絵札にも啓発用の句が書かれ、「遊びながら、トラブル対処法を自然に学べる」と消費者庁の担当者は話す。
消費者トラブルの対処法を盛り込んだ寸劇の台本集も昨年11月発行された。全国消費生活相談員協会(東京)の編集した「ロールプレイ&コント集」。中高生や若者、高齢者などの世代別に特徴的な消費者トラブルとその対処法を台本にして22編盛り込んだ。
例えば、振り込め詐欺を防ぐために書かれた台本には、2人の主婦が登場。「息子から電話があったんよ。女性を妊娠させた。示談金がいる。至急に、送ってくれって……」などと、短いセリフでやり取りが書かれ、素人でも演じやすいように工夫されている。
東京都内の消費者啓発講座で講師を務める消費生活相談員の
「ロールプレイ&コント集」は1500円(送料1冊80円)。冊子のタイトルと冊数、住所、氏名、電話番号を書き、ファクスかはがきで全国消費生活相談員協会販売係(ファクス03・5614・0743、〒103・0012東京都中央区日本橋堀留町2丁目3番5号グランドメゾン日本橋堀留101)に申し込む。
消費者啓発講座では、専門家が講演をしたり、解説用の冊子が配られたりする場合が多いが、専門用語などが多く高齢者や子どもにとっては理解しづらいこともある。全国消費生活相談員協会の担当者は「一方的に情報を提供するより、遊びや寸劇のように視覚や聴覚に訴えた方が、高齢者や子どもの興味を引きやすい。こうした取り組みが地域での見守り活動に広がることを期待したい」と話している。(岡安大地)
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