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[あなたと家庭医]社会とつながって健康に

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 「先生、私、夜間高校に通いたいんです」

 脳梗塞の後遺症で足が不自由な、ある年配の患者さんの言葉でした。通学はかなり時間のかかる大変なものでしたが、一人暮らしだったその方の病状は、高校に通い始めてからみるみる改善しました。友だちができて、学校で勉強できることが何よりもうれしいと、私に語った時の笑顔が忘れられません。

 人間は社会的な存在であり、孤独な人は、社会的なつながりが多い人よりも不健康であることがわかっています。米国や北欧の様々な研究結果から、社会的なつながりが強い人(友人との接触、社会活動への参加、結婚している人)に比べて、社会的に孤立している人は死亡率が2~5倍高いことがわかりました。

 つまり健康に生きるための処方箋は、社会に参加して「つながり」を作ることだと言えるでしょう。健康のためにウオーキングや運動をするのでも、家族や友人と一緒に、支え合いながらするほうがいいかもしれません。

 社会において何らかの「役割」を持つことも、健康にとって重要です。

 特に男性は退職すると社会的役割がなくなり、家庭でも邪魔者扱いされるようになりがちです。これでは不健康まっしぐらですね。積極的に家事をしたり、孫の面倒を見たり、地域のボランティア活動をしたりと、自分が活躍できる「役割」を持つことが、健康への早道でもあるのです。

 まずは家族や友人、地域コミュニティーなどの身近なところから、社会とのつながりを再確認してみませんか?(孫大輔、家庭医療専門医)

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