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「2.5世帯同居」満足度高く
高齢の親と子育て世帯の同居が中心だった2世帯住宅に、独身の息子や娘も一緒に暮らす居住形態が目立っている。親と同居する単身者や、経済的な負担を減らそうと実家で暮らす子育て世帯が増えているためだ。「2・5世帯同居」と名付けたプランを用意する住宅メーカーも登場している。
両親も独身のきょうだいも一緒
神奈川県の会社員A子さん(39)は昨年5月から、60代の両親に加え、1歳の長女がいる30代の妹夫婦と同居を始めた。
A子さんは独身で、築約50年の実家に両親と暮らしていたが、老朽化による建て替えを機に、アパートで暮らす妹一家を呼び寄せたという。「両親と3人でマンションに住み替える案もあったが、住み慣れた土地から離れがたい。新築して3人だけで暮らすのはもったいないので、皆で資金を出し合い、一緒に暮らせる家を建てました」
2階建ての1階に両親とA子さん、2階に妹一家が暮らす。1階に玄関が二つあり、廊下や階段を通ってそれぞれの居住空間に行く仕組みだが、玄関近くの扉で互いに行き来できる。風呂、トイレ、キッチンは各階にある。
1階のA子さんの部屋は11畳ほどで、ウオークインクローゼット付き。1階と2階にダイニングがあり、休日には全員そろって夕食を食べることも。「めいの遊び相手になるのが楽しみ。昨年末には皆で温泉旅行にも出かけました」
妹の夫も、「ちょうど子どもが生まれるタイミングで、独自に住まいを探すより資金面で助かった。それぞれの居住空間も確保され、同居による気遣いはありません」と話す。A子さん姉妹にとっては、「親の老後を一人で抱えこまない安心感」もあるという。
近年、子育てをする世帯を中心に、親に育児や家事を手助けしてもらえる2世帯同居への関心が高まっていた。住宅メーカー、旭化成ホームズ(東京)が調査したところ、実際には2世帯向け住宅の約2割に、単身の兄弟姉妹も同居していることがわかった。
同社「二世帯住宅研究所」の松本吉彦さんは「プライベートの空間をきちんと確保した上で、互いを頼りにしあえば満足度の高い暮らしができます」と話す。
同社は昨年夏、こうした居住形態を「2・5世帯同居」と名付け、注文住宅でのモデルプラン提供を始めた。単身者が使う広めの部屋を親が住む1階の玄関近くなどに確保したり、その室内に洗面化粧台を置いたり。家族の共有スペースには、大きめのダイニングテーブルや本棚などの設置を提案している。
住宅に関する情報を提供する横浜市の「ハウスクエア横浜」にも、「2・5世帯」で同居するための建て替えや大規模改修の相談が増えている。「同居の人数が増える分、個々のスペースは狭くなるが、負担する資金は少なくてすむ」と相談員の吉岡
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