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(24)離婚すると不利?

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  離婚した場合としなかった場合では、妻の年金はどう違いますか。

夫婦の受給総額は減少

 会社員が加入する厚生年金には、離婚した場合に夫婦で年金を分け合う年金分割の制度が設けられています。

 2007年度に導入される前は、妻にとって「お得」な制度のように受け止められ、「離婚が急増する」との予測もありました。しかし、生涯に受け取る年金額だけで考えれば、離婚しない場合より不利になることが多いのです。

 離婚した場合の年金を見てみましょう。

 分割の対象になるのは、夫婦の厚生年金のうち結婚期間中に支払った保険料に基づく部分です。年金の多い方から少ない方へ、2人の取り分が同額になるまで分割できます。ずっと専業主婦だった妻なら、最大で夫の厚生年金の2分の1を受け取れます。

 分割を受けた年金は自分の名義になり、相手が死亡しても打ち切られることなく、終身で受け取れます。ただし、支給開始は自分が厚生年金の受給年齢に達してから。相手の受給年齢ではありません。会社勤めの経験がない妻なら65歳からです。

 では、離婚しなかった場合はどうなるでしょう。

 夫が亡くなると、その後は妻に遺族厚生年金が支給されるのが一般的です。金額は夫の厚生年金の4分の3が基本。結婚前の加入期間分も含めて計算します。妻が再婚などをしない限り、終身で受け取れます。分割で得られる年金より、かなり有利でしょう。

 さらに、結婚していれば、夫の厚生年金に「加給年金」という加算がつく場合があります。金額は最大で年額39万3200円(12年度)。加給年金は、妻が65歳になって自分の基礎年金を受け取り始めると打ち切られます。その代わりに、妻の基礎年金に「振替加算」が上乗せされます。金額は妻の生年月日によって異なり、今年度中に65歳になる人では年額9万9600円(12年度)です。

 離婚すれば、夫に加給年金はつかず、妻の振替加算もありません。妻が振替加算をもらい始めてから離婚しても、厚生年金の分割対象期間と妻自身の厚生年金加入期間が合計20年以上になると、振替加算は打ち切りです。

 熟年離婚を考える際は、こうした点も十分考慮する必要があります。50歳以上であれば、離婚前でも年金事務所で見込み額を試算してもらえます。(林真奈美)

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