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あなたと家庭医

からだコラム

[あなたと家庭医]身内の心配事も気軽に

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 「最近腹痛が続いて……」と、思春期の女の子が母親と一緒に受診しました。

 お話を聞き、診察をしたところ、急性胃炎から来ている症状のようでした。食事や生活指導とともに、薬を処方して、いったん様子を見ることにしました。

 1週間後、また同じ女の子がやってきました。腹痛がまだ続いているとのことです。よく話を聞いてみると、腹痛はずっと前から、ときどき起こっていたそうです。

 このような場合、家庭医は患者を「全人的」にみる手法を用います。身体だけではなく、こころや社会的な側面(家族関係、職場や学校のことなど)にも留意して、総合的に人間をみるのです。木を見て森を見ずにならないように、森全体を見る方法と言えるでしょう。

 家族の問題が、患者の症状として表れている場合があります。このような場合、患者だけではなく、家族からも話を聞くことが鍵となります。

 家庭医は患者一人を診察しているときにも、患者の後ろにその家族が木の枝のように広がっている「家族の木」を見ています。家庭医が英語で「ファミリー・ドクター」(家族の医者)と呼ばれる所以(ゆえん)です。

 この女の子の母親に話を聞いたところ、実はきょうだいに重い病気があり、家族内のストレスが症状に影響しているようでした。その後、患者と母親にカウンセリングも並行して行ったところ、徐々に女の子の症状は改善していきました。

 家庭医を受診したら、気になる家族のことや心配なことも気軽に話してみましょう。きっと丁寧に相談にのってくれると思います。(孫大輔、家庭医療専門医)

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