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幸せだから長生き…研究進む

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 長生きしている人には幸せそうな人が多い。長生きだから幸せ? いや、いや、最近の研究によると、幸せだから長生きするらしい。笑顔で前向きに暮らして、健康で長生きを目指そう。

「明るく前向き」が一番 健康的な生活習慣に

トレードマークのシルクハットをかぶり笑顔を絶やさない昇地三郎さん(福岡市の自宅で)=久保敏郎撮影

 昨年11月に都内のホテルで開かれたベストドレッサー賞の授賞式。特別賞を受賞した教育学者の昇地(しょうち)三郎さん(106)はトレードマークのシルクハットに真っ赤なマントをまとって登場して、黄色のジャケット姿に早変わりした。「(おしゃれの極意は)毎日着替えること」とユーモアたっぷりに答え、会場を沸かせた。

 昇地さんは昨夏、32日間かけて米国や南アフリカ、ロシアなど9か国を講演して巡り、ギネス世界記録に「公共交通機関を使って世界一周した最高齢者」と認定された。現地の言葉であいさつして、笑顔を絶やさない昇地さんはどこの国でも「ハンサムボーイ」と呼ばれ、大人気だった。

 「笑顔でいると周囲も笑顔になってうまくいく」。昇地さんの一番の健康法は「笑顔とユーモア」だ。

 アンチエイジングを研究している慶応大教授の坪田一男さん(57)が100歳以上の「百寿者」にインタビューしていて気づいたのは、昇地さんをはじめ、みんなが明るく前向きで幸せそうなことだった。

 幸せと長寿の関係は、世界中で注目されている。米国の権威ある科学誌「サイエンス」は2年前、「幸せな人ほど長生き」という論文を掲載した。

 米国の修道女180人を対象にした研究では、平均年齢22歳の時に書いた自伝の手記を分析。「楽しい」「うれしい」など前向きな表現がどれだけ含まれるかで四つのグループに分けて、60年後の長寿との関係を調べた。その結果、前向きな表現が多いグループほど、死亡リスクが低く、それぞれのグループの半数が亡くなった時の年齢は93・5歳、90歳、86・8歳、86・6歳だった。

 厚生労働省の研究班が、秋田、長野、高知、沖縄など国内9地域に住む8万8000人を12年間追跡調査した結果でも、生活を楽しむ意識の高い男性ほど、脳卒中や心筋梗塞の発症・死亡リスクが低かった。生活を楽しむ意識の高い人は、運動を楽しみ、たばこを吸わないなど、健康的な生活習慣を持つ人が多かった。

 坪田さんは「幸せだと心に余裕が生まれて、健康意識が高まり、良い生活習慣が身に着く。新しいことにも挑戦できる」と指摘する。

 さらに、明るく前向きだと、困難にぶつかっても、上手に回避したり、周囲の手助けが得られたりしやすく、ストレスを受けにくい。長期的なストレスは、高血圧や高血糖を引き起こし、免疫力を下げて感染症にかかりやすくする。

 坪田さんらは昨秋、幸せと健康について考える日本ポジティブサイコロジー医学会を設立した。坪田さん自身も「ごきげん」な生き方を実践している。

 寝る前に、その日にあった三つの良いことを書き出すと、幸福感が増すことは、米国の研究でも実証されている。坪田さんイチ押しの「ごきげん術」だ。

 幸福感を最も左右するのは、1日の大半を費やす仕事や身近な人間関係だ。幸せは、周囲の人にも「伝染」する。

 坪田さんは「自分の隠れた『強み』を発見して仕事に生かしたり、幸せな友人をたくさん持ったりすることが大切」と助言する。(杉森純)

坪田さんが実践する「ごきげん術」
〈1〉毎日寝る前に、その日あった良いことを三つ書き出す
〈2〉不満には、感謝の気持ちで対抗する
〈3〉自分の強みを見つけて、それを生かす
〈4〉よく眠る
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