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いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

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薬をいつ飲めば良いんですか?

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 「漢方薬は、食前、食間に内服するように指示されていますが、食前とは、食事の何分前ですか?」「夕食の時間が不規則で、夕食前の漢方薬を飲むタイミングが難しいのですが・・・」という質問を受けます。中には、「食前と書いてあったので、忙しくて食事が出来なかった日は漢方薬を飲みませんでした」という患者さんもいらっしゃいます。

 さて、一体漢方薬はどんなタイミングで服用すれば良いのでしょうか? 「○○湯」「○○丸」「○○散」という漢方薬の名前にもヒントがあります。

 薬草(生薬)を土鍋でコトコトと煮出して抽出していた「○○湯」。昔の人は食欲がない場合などにお茶代わりに、数時間かけて何度かに分けて服用したのでしょう。食欲が徐々に出てきたらスープ代わりに食事と一緒に服用していたかもしれません。

 薬草(生薬)を粉にしてできる「○○散」や蜂蜜を煮詰めて薬草(生薬)を固め、長期間の貯蔵や携帯しやすいように工夫された「○○丸」などは、外出先や旅行先などにも持って行ったのでしょうね。そうなると、食事に関係なく服用していたかもしれません。

 服用のタイミングについて、数千年前からある漢方医学の本にも明確な回答は書かれていませんでした。しかし、最近の研究で漢方薬がどうやって体に吸収され、薬理効果が発揮されるかがわかってきました。

 研究によると、漢方薬は、消化管の中で食物と一緒になると有効成分が食物に含まれる食物線維に吸着されてしまい、その作用が減弱する可能性があるようです。江戸時代の学者貝原益軒の「養生訓」にも、「薬を飲んだ日は、食事を控えるように」と記載されています。つまり、漢方薬と食事の相性はあまり良くないと昔の人も考えていたのでしょう。

 最新の科学によって漢方医学が解明されていくことで、未知であった漢方医学の謎がひとつひとつ理論的にわかるようになってきました。日本の伝統医学である漢方医学が最新医学の仲間入りをすることで、がん医療で悩むすべての人たちに安心して安全に活用できる時代がやってきたといえそうです。

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いまづ医師の漢方ブログ_顔120

今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

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