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楽ラク介護術

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(40)玄関整え 外に出やすく

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 入院をきっかけに、退院後も外出ができなくなってしまうことがあります。日本の家屋は玄関に段差があったり、狭かったりするなど障害物が多く、外に連れ出すのが大変、という事情もあります。外に行きたいと思ったときに、いつでも出られるように環境を整えることも大切な支援です。

 自宅で身体の不調ばかり訴えていた人が、外に出て近所の知り合いに出会ったら、近況を気遣い、笑顔で会話をしていた、といったこともあります。「あんな表情、久しぶりに見た」とご家族は驚いていました。

 ある方は入院中、ほとんどベッドで寝て過ごしていました。退院後、室内で車椅子に座っていても、数分たつと、「疲れた、つらい」と横になる状況でした。「何かしたいことは」と聞くと、「自分で洋服を選びたい。最近は買っていないから」と返事がありました。そこで、徐々に車椅子に座る時間を長くして、身体を慣らしていきました。同時に、玄関用のスロープをレンタルし、車椅子に乗ったまま玄関を降りられるようにしました。

 気候の良い日を選んで、車椅子で数か月ぶりに外に出て、近所の洋服店に行きました。お店の人と「久しぶりね」などと話しながら、洋服を見ていましたが、その日は買いませんでした。後で、「あそこは、気にいるのがなかったから、今度は別のお店に行きたい」と話しました。だんだん身体の不調の訴えは減り、外の出来事への関心が戻ってきました。次の外出には、もっとおしゃれをして、出かけることができました。

 毎日使わないとしても、玄関に手すりをつけたり、スロープを用意したりすることで、日常の生活を広げることができるのです。(竹森志穂、「訪問看護ステーションしろかね」所長)

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