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いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

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日本の伝統を守り続ける漢方医学

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 おせち料理に初詣。門松にお屠蘇(とそ)。お年玉にカルタ遊び。正月になるといろいろな日本の伝統を楽しむことが出来ます。各地方、各家庭で食されるお雑煮も、伝統の一つですね。みなさんは2013年の正月をどこで誰と過ごしておいででしょうか? 正月になると日本の伝統を守っていくことの大切さを身近に感じます。

 日本独自の伝統医学である漢方医学も、言うなれば、日本の伝統のひとつでしょう。その漢方医学も科学の進歩によって未知の部分が解明されるようになってきました。1887年に長井長義博士が、麻黄(まおう)という生薬(薬草)からエフェドリンを発見し気管支喘息の治療薬として多くの患者さんを救うことができたように、これまで西洋医学では治すことが出来なかった病気の治療に漢方医学は役立てられてきました。最近では、日本で腸閉塞症の治療薬として使われている大建中湯(だいけんちゅうとう)が、2011年、アメリカの食品医薬局(FDA)で漢方薬の臨床研究が開始されました。

 これまでは経験豊富な漢方専門医にしか使いこなすことが出来なかった漢方薬が、今後ますます、どの医師でも現代医学的に基礎薬理学を根拠にがん患者さん達のために活用されるようになっていくと考えられています。

 伝統文化を守っていくことは、日本の魂を忘れないようにすることです。しかし、古いままのものを受け継いでいくことが伝統を守ることではありません。それは、歌舞伎が常に新しいものを取り入れてファンの心を魅了するのと同じように、伝統によって守られる漢方医学も、その時代に合わせ、新しい科学を取り入れ進歩していくことが大切だからです。これからの漢方医学は、最先端医療と協調し、常に患者さんの身になって使われていく医学として成長していくものと考えます。


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いまづ医師の漢方ブログ_顔120

今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

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