文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

あなたと家庭医

からだコラム

[あなたと家庭医]圧倒的な「対話の不足」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 「お医者さんには、なかなか本音が言えないんです」。ある患者さんの言葉です。

 皆さんは医師にかかったとき、どこまで本音で話をしていますか。医師は、あなたの話を十分に聞いてくれているでしょうか。

 昔は、患者は医師の言うことを聞くのが当たり前という風潮がありました。まるで父と子のような、この患者=医師関係は「パターナリズム(父権主義)モデル」と呼ばれます。もし黒沢明監督の映画「赤ひげ」みたいな武骨な医師が現代にいたら、「説明が少ない」「どなられた」などと、不評を買うかもしれませんね。

 最近は病状や治療の選択肢について十分に説明をして、患者と医師が一緒に方針を決定して行くことが良いとされています。しかし、現実はどうでしょうか。

 「医師は自分のコミュニケーションを過大評価している」という興味深い調査があります。2005年の国内での調査で「診察室で十分に対話できているか」という質問に対して、医師は67・8%が「そう思う」と答えたのに対し、患者は38・4%と少数でした。

 医師と患者の「すれ違い」はなぜ起きるのか。私は圧倒的な「対話」の不足が原因と考えています。根底には、パターナリズムや情報量の違いもあるでしょう。

 そうした関係を打破する試みとして、私は市民と医療者がつどい、健康や医療について自由に対話ができる「場」作りを2010年から始めました。

 「みんなが来る」という願いを込め「みんくるカフェ」といいます。次回はこの取り組みについてご紹介したいと思います。(孫大輔、家庭医療専門医)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

karada_400b

 
 

からだコラムの一覧を見る

あなたと家庭医

最新記事