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(38)福祉用具 レンタルで

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 自宅での介護を助けてくれるサービスの一つに、福祉用具があります。介護保険を使って、福祉用具のレンタルなどができます。トイレや入浴関連の製品は、一部負担で購入することもできます。

 福祉用具と聞いて、すぐに思い浮かぶのは介護用ベッドや車いすでしょうか。毎日使うものだからレンタルではなく、購入したいと考える方もいらっしゃるようです。ですが、大きくて高価なものは、万が一使い勝手が悪くても、なかなか新しいものに買い替えにくいものです。また、病気のある方や高齢の方は、少しずつ身体の機能が変化していきます。その時々に合った用具に変更できるのがレンタルの良い点です。

 車いすは、座面の高さ、幅、背もたれまでの距離、足台の高さなどが身体に合っていないと、長時間座っていることが苦痛になります。ベッドも、低すぎると立ち上がるのが大変になり、高すぎると滑りおちることがあります。毎日使うものだからこそ、本人の身体の状態に合ったものを選ぶことがとても重要になります。

 他にも便利なものとして、スライディングシートがあります。自分で寝返りが出来ない方の身体の下に敷いて、滑らせるようにして身体の位置を変えるものです。身体と布団の間の摩擦が減るため、より小さい力で身体の位置を変えることができ、介護者の腰痛予防になります。また、介護者の力ではベッドから車いすに移すのが大変な場合は、リフトを使う方法もあります。介護者にとって楽な方法は、介護を受ける方にとっても楽なケアであることが多いものです。

 福祉用具は、本人自身の力をしっかり使うことと、介護者が安全に使えることが大前提です。その上で、毎日をより豊かに過ごすための手段として活用されることをお勧めします。(竹森志穂、「訪問看護ステーションしろかね」所長)

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