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(2)健診で「言い訳」危ない

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 「たまたま高かっただけ」。健康診断で高血圧を指摘されて、こんな言い訳をしていませんか?

 血圧は普通、年齢とともに上昇する。10代、20代の時に問題なかったからといって、過信は禁物だ。

 診察時の血圧が140未満でも、早朝や夜間、職場での血圧が高い「仮面高血圧」や、逆に診察時に緊張して血圧が上がってしまう「白衣高血圧」の人もいる。これらを合わせると、高血圧患者と同じような数に上ると推定されている。

 仮面高血圧だと、脳卒中や心筋梗塞の死亡リスクは通常の高血圧と変わらない。白衣高血圧も、放置するとリスクが高まる。見過ごしてしまうのは危険だ。

 早朝は、交感神経の活動が高まるため、血圧が高くなりやすい。早朝の血圧が上がり始めたら黄信号だ。家庭で血圧を測ったり、健診は午前中に受けたりして、高血圧のサインを見逃さないようにしよう。

 夜間の血圧が高いのは、腎臓などの臓器に障害が出始めている証拠。臓器障害が進み、さらに血圧が上昇する悪循環に陥ってしまう。日本人に多い、塩分で血圧が上がるタイプは、夜間の血圧が上がりやすいので注意が必要だ。

 血圧は、健康やストレスの状況を反映して、将来の病気の発症リスクを予想できる。しかも、下げれば病気も防げる。「血圧は健康の重要なカギ」と強調する自治医大教授の苅尾七臣(かずおみ)さんは、こう助言する。

 「早朝の血圧が135を超えたら、食事、運動、睡眠の生活習慣を見直して、血圧を下げる努力をすることが大切です」

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