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いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

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漢方薬にも副作用があります

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 外来で患者さんへ「漢方薬にも副作用があります」と説明すると、必ず「えっ?」と聞き返されます。「どんな薬にも副作用はあるんです。たとえば風邪薬だって数%はあります。すべての薬には危険がつきものなので、医師が診察の上、処方するんです。漢方薬だけが特別なわけではありません」とお話ししています。

 では、どのぐらいの割合で副作用は起こるのでしょう?

 例えば、よく用いられる風邪薬の副作用は、調査対象976例中、89例(9.1%)と報告されています。ビタミン剤は副作用調査が行われていないものが多くあります。同じように漢方薬の副作用についても、副作用調査がされてきませんでした。

 しかし、今回、ある漢方薬の副作用発現頻度調査が2年間の年月をかけて行われ、その結果が報告されました。調査対象は3,284例。そのうち 64例(1.9%)に臨床検査値の異常を含む副作用が報告されました。

 これ以外にも、がん医療において漢方薬を使用するときに、注意すべきことがあります。それは漢方薬の中に含まれている生薬(薬草)による作用です。

 漢方薬に使われている生薬(薬草)を原材料として、西洋薬(新薬)の下剤や抗炎症剤が作られ、中には注射薬として使われているものもあります。もし、下剤の原材料となっている生薬(薬草)を大量に飲んでしまった場合は、当然、下痢になります。からだに優しいイメージのある漢方薬ですが、用法・用量をきちんと守ることが重要です。

 がん患者さんが漢方薬を希望する場合、医師の診察と処方を受けることをお薦めします。漢方薬にも副作用があり、使い方を誤ると予想外の結果を招きかねないからです。安全に安心して治療を受けるために、ぜひ心がけていただきたいと思います。

 さらに漢方薬は医療用医薬品ですので、きちんと病院で処方してもらえば保険医療により経済的にも負担が少なくなります。「安心」と「軽い負担」を得られるので、一挙両得です。


代表的な生薬(薬草)の作用と、取りすぎた場合の症状
生薬 作用 取りすぎた場合の症状
大黄(だいおう) 瀉下作用など 下痢など
芒硝(ぼうしょう) 瀉下作用など 下痢など
甘草(かんぞう) 抗炎症作用など 低カリウム血症、浮腫、高血圧など
麻黄(まおう) 交感神経緊張亢進作用など 動悸、血圧上昇、排尿障害など

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いまづ医師の漢方ブログ_顔120

今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

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1件 のコメント

甘草を含む医療用漢方薬多種服用

ブルーバード

慢性疼痛のために 抗鬱剤の処方と同時に潤腸湯、乙字湯が長期処方されていまう。同時処方の抗痙攣薬を最近減薬開始したら不眠になり体力低下を招き補中益...

慢性疼痛のために 抗鬱剤の処方と同時に潤腸湯、乙字湯が長期処方されていまう。同時処方の抗痙攣薬を最近減薬開始したら不眠になり体力低下を招き補中益気湯が同時処方され始めました。

咳嗽が12月初旬から始まり、約1か月麦門冬湯が別の病院から処方されました。

漢方薬はこんなに多種服用してよいものか疑問を持ち、漢方薬を一切やめ、また、不眠も落ち着いており、酸化マグネシュームにしました。咳嗽が治まったようです。



咳嗽は漢方薬の副作用だったと考えていますが、併用はどの程度許されるものなのでしょうか。




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