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白内障の眼内レンズ 寿命は

 昨年6月に白内障の手術を受けましたが、知人から眼内レンズは20年が限界と聞きました。レンズには耐用年数があるのでしょうか。再度手術をして入れ直さなければならないのでしょうか?(67歳男性)

安定環境なら人間より長く

徳田 芳浩 井上眼科病院副院長(東京都千代田区)

 白内障は、()の中でピントを合わせるためのレンズ(水晶体)が白く濁ってくる病気です。ほとんどが老化現象で起こります。初期には少しまぶしい感覚から始まり、中等度まで進行すると、見えづらさを自覚する人が目立ってきます。

 60歳代から症状が表れることが多いようですが、個人差も非常に大きく、70歳を過ぎても見え方に不自由を感じない人もいます。

 白内障の手術は、水晶体の濁った部分を取り除き、眼内レンズを入れる方法が標準的です。国内で年に約100万件行われている、安全で有効な方法です。手間をいとわなければ、入院せずに、日帰り手術と通院による治療も可能です。

 眼内レンズの素材は、わかりやすく言うと、プラスチックであり、我々が日常的にも頻繁に利用しているものです。

 眼内レンズが発明されてから50年以上たちますが、日本で一般的に使えるようになった歴史は浅く、25年に満たないのです。導入された当初は、手術後から20年以上経過した患者が周囲におらず、根拠が曖昧なまま「20年が限度」とも言われていたようです。

 プラスチックは、化学的に多少の劣化は起こり得ますが、直射日光や極端な高温・低温などに長時間さらされない限りは、心配はありません。

 少なくとも人体内に埋め込まれている安定した環境の中では、人間よりもはるかに寿命が長いと考えても問題はないでしょう。安心して使い続けてください。

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