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妊娠・出産の前にいぼ痔を治療すべきか

 結婚を控え、子どももすぐにほしいと思っています。20代の頃から痔(いぼ痔)があるのですが、妊娠・出産に悪影響はありますか。また、妊娠中に痔の治療を行うことはできるでしょうか。(東京・33歳女性)

日常生活に支障がなければ様子を観察

佐原力三郎 社会保険中央総合病院 副院長・大腸肛門病センター長(東京都新宿区)

 いぼ痔(痔核)は、肛門直腸部分への繰り返す負担により、肛門の壁の一部が膨れ上がったものです。実は誰にでも痔核の基はあり、肛門を閉じるときのクッションとなっていると考えられます。ところが、痔核を支える組織が弱くなると、痔核が大きくなって肛門から飛び出したり、痛みや出血がみられたりします。

 痔核には、肛門の皮膚側にできる外痔核と、直腸側粘膜下にできる内痔核があり、痔核というと一般的に内痔核を指すことが多いようです。

 痔核が妊娠・出産に悪影響はあるのかというご質問ですが、痔核そのものは特に影響しません。ただし、妊娠中はつわりなどのために食生活が変わったり、運動不足になったりしやすく、また大きくなった子宮が骨盤内を圧迫するため、便秘に悩む方が少なくありません。トイレで長くいきむと、肛門周辺の血管でうっ血が起こり、血流がわるくなって痔核が膨れやすくなります。

もともと痔核がなくても、出産(分娩)をきっかけにできることがあります。妊娠中に痔核が悪化するのを防ぐためには、便通を整えることがもっとも大切です。できるだけ食物繊維の多いものを食べ、水分を十分にとるようにしましょう。朝食を食べると胃・大腸反射が起こりますが、便意を感じたらタイミングを逃さずトイレに行きましょう。便意を感じなくても、食後30分くらいの決まった時間にトイレに座る習慣をつけるのも効果的です。

 ウォーキングなどの全身運動は、腸の動きを良くするだけでなく、肛門周囲の血行改善にもつながります。食事、運動、排便の習慣を整えることで痔核の悪化を予防できますので、妊娠前から取り組まれることをおすすめします。妊娠中の運動や緩下薬(緩やかな下剤)の使用は、産科の担当医に相談しましょう。

 痔核は、男女とも痔疾患の半数以上を占めます。日常生活に大きな支障がなければ、上記のような保存療法を行いながら様子観察を続けますが、痛み、出血、腫れがひどく日常生活に支障を来す場合は手術を含めた積極的な治療を考えます。妊娠中でも、妊娠そのものによる制約は受けるものの痔核の治療は可能です。

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