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最新医療~夕刊からだ面より

ニュース・解説

爪のおしゃれ障害…感染症、傷、乾燥が原因

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 つややかな色柄が長持ちする人気のジェルネイルをはじめ、爪のおしゃれを日常的に楽しむ人が増える中、健康上のトラブルも少なくないようだ。美しさだけでなく、健やかさも大切にしよう。

 ジェルネイルとは、爪につけた樹脂を紫外線(UV)で固めるもので、数日ではげるマニキュアと違って3週間ほど持つことなどから、ここ数年急速に普及した。

 「ジェルネイルを落としたら爪が薄くなり、伸びてもすぐ折れるほど弱くなった」(千葉県、60代)

 「両手の爪のうち計6本が緑色になってしまった」(兵庫県、30代)

 「ジェルと爪の間に水がたまり、爪に黒いカビがはえた」(東京都、30代)

 爪の“おしゃれ障害”について、国民生活センターには今年、こんな報告があった。担当者は「ネイルサロンが増え、爪のおしゃれが普及した分、トラブル報告も増えている」と話す。同センターは2008年10月、ジェルネイルなどつけ爪のトラブル事例を公表し注意喚起したが、以来、全国の消費生活センターには、健康被害だけで毎年少なくとも30~40件の情報が寄せられるようになった。

 東京都皮膚科医会学校保健委員長の岡村理栄子さん(60)によると、障害は〈1〉感染症〈2〉爪の根元や周辺の皮膚を傷つけること〈3〉乾燥――が主な原因。〈1〉は、爪が長期間覆われたままになり、感染症の発症や悪化につながりやすいということ。爪が緑色になるグリーンネイルは緑膿(りょくのう)菌の繁殖で起きる。〈2〉は、甘皮の処理で爪の根元(爪母(そうぼ))が傷ついて起こる炎症や湿疹、かぶれ。〈3〉は、除光液に含まれる化学物質アセトンによるものだ。

 このほか、UVライトの影響もある。ジェルを固めるライトでやけどして受診した女性患者(21)もいた。岡村さんは「手頃な値段で専用ライトが売られており、特に若い人に自己処理する人が増えているので心配」と話す。

 「女性の爪は厚さ0・5ミリほどで、少しずつでも削り続けると、薄く、もろくなる」と警告するのは、爪の健康に詳しい東皮フ科医院(大阪府堺市)の東禹彦(ひがしのぶひこ)さん(75)。つける前の下準備や除去のため、表面を削る場合があるためだ。東さんは「健康のためには間隔をあけてつけるのが望ましい。一度落としたら次は1か月程度休ませてからにしては」と対策を提案する。

 症状が出てしまったら、また、予防にはどうしたらよいのだろう。住吉皮膚科院長(東京都墨田区)の住吉孝二さん(41)は「爪の形や色に気になる変化があったら、ネイルを落として清潔にするのが第一。症状がひどければ皮膚科を受診し、完全に治るまで新しくつけないで」とアドバイス。クリームやオイルで保湿するなど、日ごろのケアも大切という。

 厚生労働省は、10年にネイルサロンの衛生管理指針を出し、業界団体も自主基準を持っているが、法的規制はない。手軽な自己処理も広がっているが、爪に負担をかけ過ぎないことを心がけておこう。(高梨ゆき子)

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