文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

年金のきほん

yomiDr.記事アーカイブ

(23)離婚分割とは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

  離婚した場合、夫の年金が妻に分割される制度があるそうですが、どんな内容ですか。

妻への配分 最大で1/2

 会社員が加入する厚生年金には、離婚した場合に夫婦で年金を分割できる制度があります。2007年度に導入されました。

 よく、「夫の年金の半分をもらえる」と思っている妻がいますが、それは正確ではありません。

 分割の対象になるのは厚生年金(報酬比例部分)だけで、基礎年金は除外されます。また、厚生年金のすべてではなく、結婚期間中に支払った保険料に基づく分に限られます。共働き期間があれば、その分は夫婦の厚生年金の合計を分け合うことになります。

 分割の割合は、原則として夫婦の話し合いで決めます。分割を受ける側の取り分は最大で2分の1。夫婦で半分ずつが上限です。話し合いで合意できなければ、家庭裁判所に申し立て、調停や審判で決めてもらいます。

 ただし、専業主婦(国民年金の第3号被保険者)の場合、2008年度以降の期間については、分割を請求すれば自動的に2分の1になります。

 具体的な例で考えてみましょう。30年間結婚していた夫婦で、夫は会社に40年勤めて厚生年金が月12万円、妻は一度も会社勤めをしたことがない専業主婦とします。分割の対象となるのは、夫が働いていた期間の賃金変動を考慮せずに単純計算すると、月12万円の4分の3で9万円です。妻が分割を受けられるのは最大でその半分の月4万5000円になります。

 実際の離婚分割の状況(2010年度)を見ると、分割割合は大半が2分の1ずつ。年金受給者の離婚では、分割額の平均は月額3万4000円程度です。

 分割を受けた側は、その年金を自分の名義で受け取れます。相手が死亡しても打ち切られることはなく、終身で支給されます。ただし、受給できるのは自分が厚生年金の支給開始年齢に達してから。相手の支給開始時期ではありません。会社勤めの経験がない妻なら65歳からです。

 年金分割は、1980年ごろから熟年離婚が急増したことを受けて導入されました。男女の賃金格差や働く期間の違いから、女性の年金は一般的に男性より低額です。このため、離婚した女性が生活に困らないよう、制度が見直されました。(林真奈美)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

年金のきほんの一覧を見る

最新記事