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いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

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夕食を選ぶように、治療法も

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 あなたが、「スーパーできょうの夕食の野菜を買おうと迷っている」ところを想像してみてください。目の前に並べられた野菜には、日本で採れた野菜と海外から輸入された野菜が並んでいます。日本で採れた野菜と海外で採れた野菜、あなたならどちらを選びますか?

 日本の風土で育てられた食材には、日本に暮らす日本人にとっては、どこかお母さんの優しく温かい家庭料理のイメージがあります。作っていただいた農家の方の姿が目に浮かび、しっかり品質管理がなされている安全性もあります。その季節ごとに採れる野菜は、日本人の健康の源となっています。

 これに比べ、海外から輸入された野菜のイメージはどうでしょうか? きれいに並べられている野菜は、レストランで食べて美味しかった料理や、テレビ、本で紹介されたシェフの作ったディナーを思い出させます。美しく、エレガントな洋食の数々は、洗練されて憧れる一品です。海外から輸入された野菜の安心や安全性は、輸入時の検査によって保証されていますし、最近ではトレーサビリティーによって産地も表示されています。 

 さあ、あなたならどちらの野菜を買いますか? 日本で採れた野菜ですか、それとも海外から輸入された野菜でしょうか? わたしが患者さんの医療にたずさわって感じる漢方医学のイメージにも、同じようなものがあります。

がん医療現場での「和風ハンバーグ」

 日本で大切に育てられてきた漢方医学は、日本という風土で起こる病気や日本人がこれまでの歴史の中でかかってきた病気に対して、日本でできる治療方法を探り、日本人の手によって日本人のために作り上げられたものです。安心して安全に現代の日本人に漢方医学を行うことができます。一方、西洋医学として海外から輸入される最先端技術や医薬品は、素晴らしい技術と科学によるもので、安心と安全性は、国の基準によって保証されています。

 では、このふたつの医療のどちらか一方だけを選択することはできるでしょうか? わたしには、どちらか一方だけを選ぶのはどこか間違っていると感じます。

 みなさんが食材として日本の野菜と海外の野菜を選ぶとき、今日の夕食の献立を考えるときには、家族のおなかのすき具合や体調を考え、ひとりひとりの顔を思い浮かべながら決めているはずです。洋の東西を問わず、和風ハンバーグや洋風おせちなど、日本の野菜を使って洋食を作ったり、海外の野菜を使って和食を作ったり。給料前の経済状態を的確に判断しながら、という日もあるでしょうが、そのときにできる最善の料理を選んでいらっしゃるはずです。

 がん医療も全く同じです。ひとりひとりの患者さんにいろいろな検査を行い、多くの医療従事者が検討を重ね、経済的な面、社会的立場などを考慮しながら治療方針を選んでいきます。最善の方法を選択するとき、西洋医学と漢方医学をうまく活用することが大切になってきます。


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いまづ医師の漢方ブログ_顔120

今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

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3件 のコメント

今や欧米化? 欧米です~!

ぷかぷか

現代の私達の生活の周りは、食物だけではなく、外来性の植物・昆虫・・etc  あたりまえにはびこっています アレルギーだけでも、人間自身の食生活の...

現代の私達の生活の周りは、食物だけではなく、外来性の植物・昆虫・・etc 

あたりまえにはびこっています



アレルギーだけでも、人間自身の食生活の欧米化等で、昔ながらのおばあちゃんの知恵袋的漢方薬では、直らないどころか悪化させてしまうケースも!



生活の欧米化に、医療もあたりまえの欧米化ですが・・・

本来の、自身が持つ治癒力を遺憾なく発揮できるように、西洋医学&東洋医学良いところを選択し、薬漬けや注射漬けにならないようにしていきたいと思います

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相対的関係

医食同源

漢方医療を何故しらないといけないか。 医師は処方した薬、新薬、漢方、ジュースに至るまで勉強は無理でしょう。 せめて漢方の知識をと思います。 漢方...

漢方医療を何故しらないといけないか。



医師は処方した薬、新薬、漢方、ジュースに至るまで勉強は無理でしょう。

せめて漢方の知識をと思います。



漢方は複数を混合して一つの薬にしているのが多いです。甘草などはお菓子として西洋では利用されています。リコリスなどはそうです。

サルミアッキなどのキャンディーも漢方と呼べるかは知りませんけど、塩化アンモニュウムかな。



薬効は重複するということあるので、医師は西洋医学とわれる設計でできる新薬の知識と漢方の一つ一つの成分の意味くらいまでは理解がほしいです。甘草と飲み合わせが難しい薬剤もあります。

グレープフルーツや茶と飲み合わせとか。



それに個体差や病状や同じ主効果でも違う副効果の違いでかえって悪化などもありますね。

妊婦さんに使うときなど、医師がリクエストした薬剤がないから同じ主効果のリクエストをした時薬剤師がおかしいと気がつくかどうかもあります。主効果で状態を押さえたつもりが副効果で陣痛をおこしてしまうなど。



薬については医師、薬剤師、患者の具合という三位一体の知識が必要というのは薬剤師のブログなどで紹介されています。



漢方、便利な薬です。

漢方主体にすれば、新薬は代替的なものですね。

阻害薬とかスイッチOTC薬には注意が必要です。便利だからと使わずに薬剤師に相談がいいです。意外と漢方を勧められる時もあります。

急激に治すより、ゆっくり様子みでどうでしょうかと薬剤師がアドバイスしてくれます。

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代替医療 という表現と・・・

寺田次郎 関西医大放射線科不名誉教授

現代日本の王道である西洋医学以外は代替医療と呼ばれることが多いですね。 現時点では正しい枠組みとされていますが、「本当に 代替 なの?」と思うと...

現代日本の王道である西洋医学以外は代替医療と呼ばれることが多いですね。



現時点では正しい枠組みとされていますが、「本当に 代替 なの?」と思うときもあります。

それは、西洋医学も発展途上なので、代替とか補完とかいう表現は傲慢なのではないかなという発想です。



漢方も間違ったイメージがあって、「漢方薬は漢方の論理で体に効く」というイメージです。

漢方薬も西洋の薬も、ある物質が体に取り込まれて、局所や全身で作用するという分には変わりがありません。

漢方薬は比較的複数成分のものが多いので、働き方が変わるようなイメージがありますが、根本的なところでは変わらないと思います。



勿論、現時点では、分割された存在ですが、将来的には西洋医学と漢方医学は統合されるものと想像しています。

勿論、それ以外の医学に関しても統合されてくるものがあるかもしれません。

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