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はつらつ健康指南

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知りたい!健康食品(2)「誰にでも効く」誤解

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科学的根拠 限定的な場合も

被験者に部屋の中で過ごしてもらい、研究成果を新商品の開発に生かす(東京都内にある花王の「ヘルスケアリサーチセンター」で)

 健康食品には、どんな科学的な裏付けがあるのだろう。

 大手メーカー「花王」(東京)の研究施設にある「ヒューマンカロリーメーター室」。4畳ほどの空間にトイレとベッドがあり、ビジネスホテルのよう。被験者の呼吸の様子や心拍数や尿などを、24時間態勢で調べる。人の代謝について分析し、特定保健用食品(トクホ)の新商品開発などに生かすためだ。「人を対象にした研究は時間もお金もかかる。しかし、トクホには人でのデータが必須」と同社。

 トクホは、健康食品の中で唯一、製品ごとの効き目をデータで示すことが求められている。国の個別審査があり、認められた範囲でなら健康に対する機能の表示もできる。

 しかし批判もある。

 群馬大教授の高橋久仁子さんは「限られた被験者での効果なのに、どんな人にでも効くかのように誤解させている」と指摘する。例えば「脂肪を消費しやすくする」「体脂肪が気になる方に」とうたったトクホ飲料。高橋さんは、この飲料の体脂肪低減効果について書かれた論文を分析した。効果の科学的根拠になったメーカーの実験では、被験者は体格指数(BMI)の平均が26という「軽度肥満の人」。太っていない人には効果がなかった。

 高橋さんは「ある学生は、スリムなのに『太りたくない』とこの飲料を飲んでいる。効果が限定的であることが伝わっていない」と話す。

 「いわゆる健康食品」は、一般食品と同じ扱いで、国にデータを提出する必要はない。品質にもばらつきがある。公益財団法人「日本健康・栄養食品協会」は、63の成分で含有量などの品質規格を設けている。基準を満たした健康食品に「JHFAマーク」をつけ、品質を見分ける目安のひとつとしている。流通する商品の中には、含有成分すらあいまいなものもあるからだ。

 国民生活センターは2008年に、関節に良いとされる成分「コンドロイチン硫酸」と「グルコサミン」を含む市販の錠剤やカプセルのいわゆる健康食品18銘柄を分析した。

 有効成分は「コンドロイチン硫酸」だが、表示をみると「コンドロイチン含有サメヒレ抽出物」「サメ軟骨抽出物」などまちまち。表示だけでは、有効成分の量がわからなかった。「コンドロイチン硫酸」と表示してあった3銘柄でも、実際の含有量が大幅に少なかった。

 国立健康・栄養研究所情報センター長の梅垣敬三さんは「その成分が有効だからといって、その製品が人に対して本当に効果があるかどうかはわからない」。動物実験のデータで効果を宣伝する商品もあるが、「そのまま人間に当てはめることはできない」と梅垣さん。健康食品の表示には人を使った実験で効果を計ったものから、動物実験レベル、有名人の体験談まで、さまざまな表現が混じっている。

 消費者庁の委託で海外の健康食品の現状を調べた同協会によると、韓国では科学的根拠のレベルにより、表示を規制している。「○○の助けとなる」「助けとなる可能性がある」「助けとなりうるが関連する臨床研究はまだ不十分」などと分けているという。

 「どんな表示なら誤解を防ぎ、消費者のためになるのか議論が必要」と同協会は話す。

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