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オトコのコト 医師・小堀善友ブログ

妊娠・育児・性の悩み

五月病と睡眠の関係

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 長い夏も終わって気温も下がり、徐々に秋めいて、さわやかな季節になって参りました。そんな季節とは全く反対になってしまいますが、睡眠シリーズ最終章ということで、五月病と睡眠の関係を書きます。

 5月になると、学校や会社にどうしても行きたくなくなってしまうという状態の人が出てきます。俗にいう「五月病」ですね。これも、睡眠との関係で説明できるとのことなのです。

ゴールデンウィークで「時差ボケ」

 原因は、「ゴールデンウィーク」です。

 4月は、新しく学校や仕事が始まり、慣れない生活のためちょっとしたトラブルがあるかもしれません。たとえば、「あの上司と意見が合わないわ~」とか、「同級生と仲良くなれない」とか。職場や学校に行きたくなくなるようなきっかけがあった時に、ゴールデンウィークに突入します。

 ゴールデンウィークで、普段の生活から解放されてリラックスしきってしまい、毎日10時まで寝ていたとします。しかし、仕事や学校が始まれば朝6時に起床しないと間に合わない。そこで、睡眠相(睡眠している時間帯)を4時間分前倒ししなければなりません。これは、パキスタンから帰国する際の時差に相当します。ゴールデンウィーク明けの朝、イスラマバード発成田行きの飛行機に乗って、学校や会社に出勤しなければならない状況になる、と想像してみてください。

 朝方体調がすぐれないのは、起立性低血圧でも、自律神経失調症でもありません。うつ病の症状として出てくる日内変動ではなく、4時間の時差ボケなのです。

睡眠のポイント

 まずは、メンタルヘルス以前に健康管理の基本をしっかりしよう、というお話でした。睡眠にとって、重要な点を3つまとめます。

(1)十分な睡眠

1日7時間が理想。できなければ、1週間で50時間が目標。

(2)睡眠相がずれすぎない

起床時間の差を2時間以内に抑える。成田とバンコクの時差以下にする。

(3)酒を飲み過ぎない

睡眠の質を悪化させる原因。抑うつ傾向がある場合は、飲酒量を減らす。


 人間は、生きていくのにサーカディアンリズムが重要であるということなのです。

 3回にわたって紹介したお話を聞かせて頂いた精神科医の井原裕先生は、下記のようにまとめてくださっています。

 睡眠は、生体の持つ最も強力な均衡回復力であり、ここには強力な抗うつ効果、抗不安効果が埋もれている。4時間睡眠の寝不足の人を7時間睡眠で休ませて得られる効果は劇的である。安価で、簡単で、侵襲性もなければ副作用もない。「無理なく、無駄なく、おだやかに」、それで結果が出せる可能性があるなら、そちらをとりたい。


 最初、お話を伺ったとき、失礼ながら、突拍子も無い話だなあ、と思ったのですが、聞いているうちに「なるほど」、と感心感動して聞き入ってしまいました。では、私も、今日は早く寝て、明日の仕事に備えたいと思います。

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小堀善友 (こぼり よしとも)

泌尿器科医 埼玉県生まれ

2001年金沢大学医学部卒、09年より獨協医科大学越谷病院泌尿器科勤務。14年9月から米国イリノイ大学シカゴ校に招請研究員として留学。専門分野は男性不妊症、勃起・射精障害、性感染症。詳しくはこちら
主な著書は『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)。詳細はこちら

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