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(3)足に合う「中敷き」探す

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 膝が曲がり、関節の軟骨がすり減った変形性膝関節症は、サイズが大きな靴を長年はき続けたために、歩行のバランスが崩れ、症状が進んだ可能性があるという。

 日本靴医学会理事で整形外科医の内田俊彦さんは「合った靴に替えるだけで、膝の痛みが和らぐことはよくあります。盛り上がりのある中敷きを使うのも良いです」と説明する。

 中敷きの盛り上がりは三つの足のアーチを支える。縦の内側のアーチは親指を、外側のアーチは小指を動きやすくする。横のアーチは足指全体でバランスよく歩けるように働く。

 合わない靴に入れても、中敷きの効果はない。合う靴に補完的に使うのが基本だ。変形性膝関節症のほか、外反母趾(ぼし)対策などをうたった中敷きは、1000円台で販売されている。

 個々の足の状態に合わせて、厚みをミリ単位で調整したものも作れる。

 足の健康を研究しているNPO法人オーソティックスソサエティー(東京都千代田区)は、足にあった靴選びや中敷き作製の技能を評価し、「フットケアトレーナー」として認定。整形外科や靴店など全国250施設で相談に応じている。

 その一人で、同法人理事の田中知弘さんは「足のサイズ、形だけでなく、歩き方、体のバランスを見て作製します」と説明する。例えば、足をくじく癖がある人の場合は、外側にバランスを崩さないように、小指とかかとをつなぐ外側の縦アーチを高めにする。

 個別に調整した中敷きは1万円程度と高価だ。ただ、履きながら使用感に応じて調整を繰り返し、最適な中敷きを作れるのが長所だ。(渡辺理雄)

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