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元競泳日本代表 萩原智子(はぎわらともこ)さん 32

一病息災

[元競泳日本代表 萩原智子さん]子宮内膜症(3)術後のダメージ大きく

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 2011年春、日赤医療センターでの治療が始まった。

 主治医は、治療の選択肢として、薬物療法と手術を提示した。嚢胞(のうほう)の大きさや生理前後の強い痛みを考慮し、手術を選んだ。

 世界選手権の代表選考レースが、4月9日から始まることになっていた。手術はその前日の8日。悩んだ末、病気のことをブログで公表した。

 「欠場の理由をきちんと説明したかったし、婦人科系の病気について、理解してもらえたらと思って」

 手術は開腹せず、腹腔(ふくくう)鏡を使って行われたが、事前に「切る可能性もある」とも言われていた。実際、腹腔鏡で見てみると、癒着がひどく、下腹部を4センチほど切開した。

 ダメージは大きかった。何をしても腹筋に激しい痛みが走る。普通に歩けるようになったのは手術から3週間後だった。

 復帰後、それまで積み上げてきたものががらがらと崩れた。それでも踏みとどまれたのは、家族や周囲の人、ブログを読んだ人たちから、多くの励ましがあったからだ。同じ子宮内膜症で手術を経験した、ハンマー投げ五輪代表の室伏由佳さんは、手術後のリハビリ・スケジュールを詳細に書いて送ってくれた。不安に襲われたとき夫はいつも「大丈夫、大丈夫」と元気づけてくれた。手術後、あれだけ悩んでいた生理痛は、うそのようになくなった。

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