日野原重明の100歳からの人生
介護・シニア
101歳のお祝い、ありがとう
去る10月4日は私の101歳の誕生日でしたが、その前日は聖路加国際病院の主催による私の「101歳誕生祝賀の夕べ」と題した音楽会が、病院の近くの晴海の第一生命ホールでありました。
これにはスズキ・メソードの子どもたちによるバイオリン合奏や、バルカン半島の国々(アルバニア、ギリシャ、クロアチア、セルビアなど10か国)の音楽家によるバルカン室内管弦楽団の演奏、さらに聖路加フィルハーモニック・オーケストラとの共演でバルトークやショスタコービッチの音楽やハイドン等の曲を柳澤寿夫氏が指揮され、見事な演奏が披露されました。
バルカン室内管弦楽団は、今般、東日本大震災によって津波の被害を受けた宮城県、福島県を慰問演奏するために来日されたところでした。バルカン半島にある国々、特にボスニア、ヘルツゴビナ、セルビアなどの国々は10年ほど前の民族紛争で、それぞれの国民同士、そして国土も荒廃していたのですが、柳澤氏が音楽によって人々のこころをつなぎたいとの思いから、2007年にこのオーケストラを結成したのです。
私の101歳という年齢にちなんでハイドンの交響曲第101番の第二楽章の演奏もありました。最後に私も指揮台に立ち、ヨハン・シュトラウス一世の「ラデツキー行進曲」を指揮しました。ご存じの通り、この曲は毎年大晦日にウィーンフィルが聴衆の拍手とともに演奏するものですが、私も音楽の強弱に合わせて聴衆の拍手を呼びかけるなどして、800名の会場はたいへん盛り上がりました。
サプライズとして用意されていたのが、何と大ファンの「なでしこジャパン」のゴールキーパー・海堀あゆみさんのサイン入りタオル、ユニフォーム、そしてゴールキーパーのグローブのプレゼントでした。私は早速その大きなグローブを手にはめて、海堀選手に真似てサッカーボールを体でストップするパフォーマンスを演じました。
大勢の方々が私の101歳の誕生日を祝ってくださいました。私にとっては最高に嬉しい夕べでした。
その翌日、4日はまさに私の生まれた日。NHKの「おはよう日本」のために聖路加国際病院のトイスラーホールで撮影、その日の夜は自宅で家族や親しい友人たちとの誕生日のお祝いがあり、就寝したのは午前0時半でした。
私の101歳の誕生日の様子をヨミドクのみなさまに報告した次第です。
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