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(2)講演 専門家の意見を耳に…原木真名さん
まなこどもクリニック院長 原木 真名(はらき・まな)さん |
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千葉大学医学部卒。同大小児科、東京都立墨東病院、帝京大学市原病院を経て、98年、千葉市緑区に開業。専門は感染症など一般小児科。千葉市小児科医会副会長。 |
10年ほど前、おたふくかぜにかかった男の子が受診しました。ワクチンを接種しておらず、右耳の聴力が悪くなってしまいました。
本当に残念ですが、おたふくかぜの難聴は治療法が全くありません。このような悲しい経験をする子どもが二度と出ないようにしなければなりません。
すべての子どもたちに、必要なワクチンを最適な時期に受けてもらうことは、地域の小児科医の使命だと思っています。
忙しいお母さんには、なんとかして接種する時間を作ってもらいたい、と説明します。受診回数が少なくて済むように、同時接種を受けるべきです。
子どもたちが集団生活する場所は、感染症のリスクが高い。そんな場所に予防接種を受けさせずに通うのはとても危険。保育所デビュー前には、受けられるワクチンはすべて受けておくことが望ましいのです。
また、お母さんたちのうわさ話ではなく、ぜひ、専門家の根拠のある意見に耳を傾けてください。
1000人に1人の病気は、999人のお母さんが「大丈夫、たいしたことなく治った」と言います。重症化した1人のお母さんに聞くと「とても大変だったから、この病気にはかかってはいけない」となります。
しかし、999人のお母さんの話の方がはるかに多いから、お母さんたちの無責任なうわさ話は耳に入りやすい。これはとても怖いことだと思います。
最後にお願いしたいことがあります。はしかと風疹のワクチンを受けているか、確認してほしいのです。大人でも2回目の接種をぜひしてほしい。特に20~50代の男性は風疹の免疫を持っていない人が多い。子どもたちの間で風疹が流行し始めると大人もかかり、妊娠中の女性にうつると、赤ちゃんが先天性風疹症候群という病気になり、とても大変なことになります。ぜひ接種に協力してください。
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