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いきいき快適生活

介護・シニア

楽しさも共有…シェアハウス

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 個室でプライバシーを保った生活をしながら、共用のキッチンやリビングルームなどで入居者同士のつながりも楽しめる。そんな「シェアハウス」が増えている。音楽好き同士が入居したり、障害者と健常者が一緒に暮らしたりと、タイプも様々だ。

音楽、農園…つながり多様化

住人同士が音楽スタジオで演奏を楽しめるシェアハウスもある(千葉県市川市で)

 千葉県市川市の「シェアレジデンス市川」(4階建て)は、企業の社員寮だった建物を改装し、昨春から入居の募集を始めたシェアハウス。6・5畳のワンルームを中心に計50部屋あり、1階には100平方メートルの共用のキッチン兼リビングルームがある。

 入居者は20~40代前半。男女はほぼ半々で外国人も2割いる。朝晩はキッチンで並んで調理しながら会話をしたり、作ったおかずを交換したり。ホワイトボードには「バーベキューをしませんか」といった呼びかけが書かれることも。

 同じ1階に、ギターやドラムが置かれた音楽スタジオもあり、自由に演奏できる。今春に近くのアパートから引っ越してきた大学院生の小林俊策さん(22)は、「趣味のギターを練習できるのが入居の決め手になった。他の入居者と一緒に演奏することも多く、年上の友人がたくさんできた」と話す。共益費を含めた家賃は月6万円から。周辺の賃貸物件と同水準だという。

 シェアハウスには、こうした集合住宅のほか、一戸建てもある。鍵付きの個室で寝起きするが、共用のリビングルームやキッチンがあり、週末は食事をしながら一緒に過ごせる。一人暮らしの気ままさと、共同生活のつながりを同時に味わえるのが特徴。入居者の大半が単身の若者だ。シェアハウスの情報サイト「ひつじ不動産」を運営する北川大祐さんによると、把握している物件だけでも約1150棟、1万6000戸。主に都市部で急増中だ。

 共有する時間の過ごし方は様々だ。本や写真集を持ち寄って「図書室」を作ったり、ビリヤードを楽しんだりするところも。最近は個性的なシェアハウスも目立ち、農業に興味のある若者同士が一緒に住んで農園で野菜作りをするケースもある。

 北川さんは、「これまで20~30代の単身者はプライバシーに重きを置き、個人の生活を重視する傾向が強いと言われていたが、『誰かと過ごす』ことの楽しさが見直されてきたのではないか」と話す。

 一方、福祉の分野でも、シェアハウスを活用する動きが広がる。障害者を支援するNPO法人「ぱれっと」が、2年前に東京・恵比寿に開設した「いこっと」は木造3階建てのシェアハウス。知的障害のある女性2人と健常者の男性4人が暮らす。帰宅時間が異なるので平日は別々だが、週末には一緒に夕食のテーブルを囲むことも。30代の会社員女性は、「最近ピアノを始めたが、ほかの5人が発表会に来てくれた。ここに引っ越し初めて人とつながる喜びを知った」と話す。

 児童養護施設を出た若者が、シェアハウスに住んで独り立ちの準備をする試みもある。NPO法人「ブリッジフォースマイル」は4月、東京都内の新築住宅を借り、6人まで入居できるシェアハウスにした。現在、施設を出たばかりの専門学校生の女性(18)が一般の社会人女性(34)と暮らし、家事や社会生活に関するアドバイスを受けている。

 他人と共に過ごす時間を、人としての成長にも役立ててもらうのがねらいだ。

生活ルール まずチェック

シェアハウスを見学する際には、生活のルールをよく確認しておきたい(埼玉県和光市のソーシャルアパートメント和光で)

 入居者同士のふれあいが楽しめるシェアハウス。だが、一人暮らしとは異なり、共同生活のルールもある。契約トラブルにも注意したい。

入居決める前に見学

 入居者それぞれに個室があるにしても、朝晩、洗面所や台所で顔を合わせることになる。

 これまで約40か所のシェアハウスを取材してきたフリージャーナリストの西川敦子さんは、「必ず見学に訪れよう」とアドバイスする。入居者が共用スペースで過ごすことが多い休日の昼間に訪問し、暮らしぶりを質問するといい。入居者の年齢や職業も確認する。「自分のライフスタイルと合うのか考えましょう」

トラブル回避

 人間関係のトラブルはつきもの。多くが、ゴミ出しや共用スペースの使い方や掃除、生活音などをめぐってのものだ。もめごとを避けるため、どんな決まりになっているか確認しよう。洗濯機が使える時間や、喫煙のルールなどについても事前に把握しておきたい。

契約内容に注意

 不動産会社などの業者がシェアハウスの入居者を募集し、管理・運営するケースが多い。ただ、家主がインターネットなどで直接募集することもある。契約内容は必ず確認しておこう。

 東京都消費生活総合センターによると、シェアハウスをめぐる相談が増えているが、その多くが契約トラブルによるもの。事前に説明のないまま、退去の際に多額の解約料を求められたという苦情もあるという。

 また、シェアハウスは、通常のマンションやアパートの「賃貸借契約」と異なり、「定期借家契約」を結ぶことが多い。あらかじめ定められた入居期間が満了すると、契約は終了する。家主が再契約に応じないと、退去しなくてはならない。こうした契約内容をわかっていない入居者もいる。

家具や家電どうする

 台所の冷蔵庫や電子レンジは多くが共用だ。個室にベッドやエアコンが備えつけられていることもある。

 シェアハウスに入居する場合は、これまで使っていた家具、家電の一部を手放す必要が出てくるかも。逆に、シェアハウスを出るときには、家具や家電が必要になる。細かいことだが、気をつけたい。(田中左千夫)

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