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ランドセル、はや商戦
9月になったばかりというのに来春入学用のランドセルの商戦が盛り上がっている。商戦の早まりは、かつてないほど。店頭は汗をかきながら下見をする親や、おじいちゃん、おばあちゃんたちでにぎわう。賢い選び方も含めて取材してみた。
「軽くてオシャレ」狙い目
ディズニー参入
表に各社のイチ押し商品をまとめたが、最近の特徴は、東京ディズニーリゾートが今年から独自商品を販売するなどランドセルを売る店が増えていることだ。
パーツごとに色
色も進化している。ピンクや青など当たり前。「昨年は人気子役の影響で、セピア色が流行した」(京王百貨店新宿店の井上知子さん)。パーツごとに色を変える「コンビネーションカラー」も珍しくない。
花柄の刺しゅう
「装飾」ものも流行している。花柄の刺しゅうを施したり、ランドセルの
重くなる傾向
ただし、注意したいのが重量だ。老舗メーカーの協和(本社・東京)の若松秀夫専務は「装飾に凝りすぎて重くなる傾向にある」と言う。ランドセルは50年前には約1・5キロ・グラムもあったが、軽い人工皮革が普及、10年前には1キロ・グラム以下が主流になった。だが、“ゆとり教育”で教科書が大判に。ランドセルも大型化してきた。メーカーは軽量化に腐心しているが、装飾の流行で、重い商品が増えつつあるという。「今は教材も増えているので、子供の負担にならないものを選んで」と若松さんは話す。
少子化で販売前倒し拍車
イトーヨーカ堂は6月下旬、ランドセルを売り始めた。昨年より1か月も早い。100点以上のランドセルを扱う京王百貨店新宿店も8月8日から販売を始めた。これも昨年より10日早い。「最も売れるピークは数年前までは12月。それが昨年は10~11月に」と同店のバイヤー・井上知子さんは話す。今年は夏から下見に来る人が増えたそうだ。
商戦が早まるのは「早く買わないと人気商品がなくなる」という母親の口コミも一因のようだ。今どきのランドセルは多品種・少量生産になりがちで、一部の人気商品は完売することもある。
ただ、「『早く売りたい』という売り手側の事情につられて、消費者が、せかされている」(メーカー)面もあるようだ。この背景にあるのが少子化。来春入学予定の児童は約109万人で30年前のほぼ半数。限られたパイをいち早く奪おうと、各社がこぞって販売を前倒ししている。(経済部 滝沢聡)
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