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免疫力を高める

元気なう

(1)NK細胞の働き重要

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 厳しい残暑で疲れがたまると、夏風邪をひいて体調を崩しやすい。原因の多くは、ウイルスや細菌などの病原体。これらから身を守るためにも、体が備えている「免疫力」を高めたい。

 免疫のバリアは全身に張り巡らされている。第一のバリアは、皮膚、そして気道や消化管などの粘膜から分泌されるたんぱく質。これらを突破して病原体が体内に侵入すると、血液中に含まれる白血球が第二のバリアとして活躍する。

 白血球は、顆粒(かりゅう)球、単球、リンパ球に分類され、細菌そのものを食べたり、ウイルスに感染した細胞を攻撃したりする働きがある。

 病気の発症を防ぐ免疫機能の中で中心的に働くのがリンパ球で、T細胞とB細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞で構成される。

 順天堂大特任教授(免疫学)の奥村康さんは「平時にパトロールするお巡りさんがNK細胞。持ちこたえられず戦争状態になった時、出動する軍隊がT細胞とB細胞」と例える。

 病気を未然に防ぐ鍵を握るのは、NK細胞だ。

 この細胞は、ウイルスに感染した細胞を撃退し、がん細胞を見つけると増殖前に死滅させる。NK細胞の働きが良いと、風邪をひきにくく、発がん率も低いことが分かっている。

 だが、NK細胞は60歳を過ぎると働きが悪くなる。昼間は活性化するが、夜間には働きが低下する。深い悲しみやいらだちなどストレスにさらされ続けることでも悪影響を受けやすい。

 奥村さんは「規則的な睡眠やバランスの良い食事など、生活習慣を改善することで、NK細胞の働きを良くすることは可能だ」と助言する。

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