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「マインドフルネス」ストレスに対処 「今ここ」に集中、心整える

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 ストレスに対処できるよう心を整える技術「マインドフルネス」が、欧米の医療、教育、企業といった現場で注目されている。その様々な技法の中から、体を動かしながら行うやり方を紹介しよう

呼吸に合わせ両手動かす

 「マインドフルネス」は、「意図的に、今この瞬間に注意を向けること」を意味する英語。もとは仏教の瞑想(めいそう)法の技術だが、これにキリスト教の黙想を付け加えた技術もある。

 欧米では、ストレスに対処する技術として1970年代から徐々に普及し、90年代からは心理療法にも導入された。「今ここ」に集中する練習をすることで、うつ病患者のマイナスの思考や感情を抑え、再発予防に効果があるとされる。

 インターネット検索サービス最大手の米グーグルは、2007年から社員の研修に導入し、集中力や創造性を高めているという。

 マインドフルネスでは、座って呼吸に意識を集中したり、歩きながら足の感覚に意識を向けたり、ジュースを飲んで口、のど、胃などの感覚を観察したりと、様々な技術が使われる。

 日本での普及・啓発組織「ヒューマンウェルネス・インスティテュート」代表の心理士、石井朝子さんが指導しているのは、呼吸に合わせて両手を動かす「呼吸のマインドフルネス」だ=イラスト=。

 ポイントは、この動きを繰り返しながら、今ここにある身体の感覚や気持ちに気づくこと。「息を止めるのが少し苦しい」「右の肩が凝っているぞ」「胃に不快感を感じる」「何となく腹立たしい気分だなあ」という具合だ。

 この時、「今日のお昼ご飯は何を食べようかな」「明日は会社の会議で発表しないといけない」などといった考えが浮かぶことがある。そんな時は、考えを打ち消そうとはせずにそのまま受け流し、すぐに意識を「今ここ」に引き戻す。

 石井さんの指導を受け、自宅で毎日欠かさず続けている静岡県の藤井礼子さん(72)は、嫌なことがあって腹が立った時でも、呼吸のマインドフルネスを行うことで気持ちが静まり、冷静に解決方法を探れるようになったという。

 ちょっとした体調の変化にも早めに気づけるため、風邪をまったくひかなくなったという。「人生の宝物をもらった気がします。これからもずっと続けていきたい」とほほえむ。

 ヒューマンウェルネスではこのほか、全身を動かしながら行う「マインドフルネス・ウオームアップ」やダンスも紹介している。グループで練習している神奈川県の清水英子さん(56)は「より全身の感覚に集中しやすく、ストレス解消効果も高い」と話す。特にダンスは若い世代向きだ。

 石井さんは「マインドフルネスは、自転車に乗ることに似ています。しっかり練習することが必要ですが、身に着いてしまえば世界が広がり、自分らしい人生を送れるようになるのです」と話している。(山口博弥)

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