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谷村新司さんインタビュー…40年 音楽の力で前向きに

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谷村新司さんインタビュー…40年 音楽の力で前向きに

谷村さん(左)と笑顔で語り合う(右から)松下さん、定松さん、前島さん、西脇さん、高部さん

 「(すばる)」「サライ」など数々のヒット曲があり、世代を超えて愛される歌手の谷村新司さん(63)は今年、アーティスト活動40周年を迎えた。その音楽に青春時代から魅了されてきたというシニア5人が隊員になり、大阪市北区の読売新聞大阪本社で谷村さんにインタビューをし、人生観や元気でいる秘訣(ひけつ)などを聞いた。

経験が歌になる

 「16歳のときからファンです。心を揺さぶる曲はどうやってできるのですか。若い頃と違う点は何ですか」と切り出したのは、大阪府八尾市の高部修三さん(56)。谷村さんは「旅や出会いなど様々な経験が、あるとき、一気に歌になって出てきます。若い頃は、恋愛をテーマにすることが多かったが、夫になり父になり、さらに孫を持つようになるなかで、広がりが出てきました」と、年齢を重ねることの意味を語った。

 滋賀県守山市の西脇能里子さん(58)は「心身の元気を保つため、気をつけていることは」と尋ねた。「年齢とともに体がへばるのは当然だが、大事なのは心の構え方。物事を絶対、ネガティブに考えないことだと思う。たとえばおでこを何かにぶつけたら、目をぶつけなくて良かったと考えるとかです」と谷村さん。「音楽には人を前向きにする力がある。コンサート会場で好きな音楽に包まれると、体の中の何かが変わるでしょう。僕たちも客席からエネルギーをもらい、すごく活性化されるんです」と強調した。

 昨年、父を亡くしたという兵庫県尼崎市の前島道子さん(56)は「年を取ると、愛する人との別れが増えます。つらいときや悲しいとき、何が支えになるでしょうか」と問いかけた。谷村さんは「死別は誰もが通る宿命。『子として、親を送ってあげることができてよかった』と考えて」と励まし、「僕はいくつかの曲で<別れる覚悟>を歌っています。会えなくなる日が必ずくることを覚悟し、目の前のその人を大切に、心をこめて過ごす。そんな瞬間の積み重ねが、一番の幸せなのでは」とアドバイスを送った。

ぶれない姿勢示す

 「人生の目標について聞かせてください」と岡山市中区の定松緑さん(63)。日本や上海の音楽大などで若者を教えている谷村さんは「日本でも中国でも若者の熱心さは変わらない。音楽が持つ本当の力や意味を、1人でも多くの人に伝えたいと思います。音楽は金もうけのツールではないのだと、ちゃんと教えたい」と語った。

 それを受け、兵庫県伊丹市の松下彰さん(67)が「私たちシニア世代は、若者にどんな姿を示すべきだろう」と問いかけると、谷村さんは「自分がやるべきこと、こうだと思ったことを一生懸命やる。それがいかなる形に見えようと、気にしない。僕はそんな姿勢を自分の子どもに見せるように努め、『ひと目を気にせず、あなたらしく生きなさい』と教えてきました」と答えた。

 来月、大阪・万博記念公園で40周年特別記念コンサートがある。「一緒に時代を生きてきた人たちに『ありがとう』を伝えるため、できる限りたくさん歌う。終わる時間も決めていないので、どれだけ長いコンサートになるかわかりません」と抱負を述べた。

 谷村さんとがっちり握手をした5人は「芯の通った生き方を感じ、これからの指針になる」「ぶれない姿勢を見習いたい」と話していた。(文・渡辺達治、写真・前田尚紀)

谷村新司さんの歩み

 1948年、大阪市生まれ。71年に結成した「アリス」で、「冬の稲妻」や「チャンピオン」などヒットを飛ばす。81年「アリス」活動停止(のち再開)。ソロ作品の「昴」(80年発表)は国内外で愛される代表曲となった。その後も新作発表、公演ツアー、海外の音楽祭出演などを重ね、日中国交正常化30周年を記念した北京での音楽イベント(2002年)、愛知万博(05年)のポップスフェスティバルのプロデュースも担当した。2000年代半ば以降、中国の上海音楽学院、南京芸術学院のほか、東京音楽大学で教べんを取る。また、国内各地に出かけて自ら「校長」になり、トークと音楽で子どもや父母らとふれ合う移動学校「ココロの学校」に力を入れている。

谷村新司40周年特別記念コンサート 40Vibration

 9月22日午後3時(開場予定は午後1時半)、大阪府吹田市、万博公園・東の広場。

 デビュー前の1970年、大阪万博会場のカナダ館でアマチュアバンドとして演奏した。音楽活動の原点と言える空間で、「Vibration」(鼓動)をテーマに数々の名曲を歌う。ゲストは加山雄三、押尾コータロー、ばんばひろふみほか。

 料金7800円(記念アルバムCD「NINE」付き)。読売新聞社など主催、うおまん株式会社協賛。問い合わせはキョードーインフォメーション(電)06・7732・8888。

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