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いきいき快適生活

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高齢者への食生活指導、自宅でも

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 高齢者は、生活習慣病で栄養管理が必要だったり、食欲が低下したりと食生活の悩みを抱えている場合が多い。介護保険や医療保険には、管理栄養士がそうした人の自宅を訪れ、栄養状態の確認や調理指導をするサービスがある。

管理栄養士が訪問

利用者に料理の写真を見せながら、皿に盛りつける量などを助言する逵さん(大阪市平野区で)

 「野菜が随分増えましたね。特に豚汁は良いメニュー。ゴボウなどに含まれる食物繊維が、血糖値の上昇を緩やかにしてくれますから」

 大阪市平野区の女性(50)宅で、管理栄養士の(つじ)妙美さんが声を掛けた。月に1回訪れ、女性やヘルパーが記録した日々の献立や体重、血液検査の数値を見て、アドバイスする。

 女性は脳出血の後遺症で左半身にまひが残り、糖尿病も患っている。合併症を防ぐため、ケアマネジャーの勧めで、昨春から逵さんの訪問指導を受けている。逵さんは、食材の宅配カタログを一緒に見ながら栄養バランスの取れた献立を提案する。女性は「どんな食事をしたら体調が安定するか分かってきた」と喜ぶ。

 訪問による栄養食事指導は、通院が難しい人に対して医師や薬剤師らが療養上の管理・指導を行う介護保険の「居宅療養管理指導」の一つ。管理栄養士は、糖尿病や腎臓病などで食事管理が必要な人や栄養状態の悪い人に対し、主治医の指示書に基づき、月2回を限度に訪問できる。1回30分以上で、利用料は地域によって違うが、530~580円程度。要介護認定を受けていない場合、医療保険にも同様のサービスがある。

 主な利用者は高齢者で、家族やヘルパーへの助言も重要な仕事。時には台所での調理指導も行う。「家族が食べる料理をアレンジするだけで済むなど手間のかからない献立を薦めるのも務め」と逵さん。

 「全国在宅訪問栄養食事指導研究会」(東京)会長で、武庫川女子大教授の前田佳予子さんは「高齢者は、加齢により身体機能が変化するため栄養管理が重要となる」と指摘する。例えば、かむ力やのみ込む力が衰えると、硬いものや繊維質の多い食物を避けるようになり、味覚の低下で糖分や塩分の摂取量が増える。食欲が落ちると急に体重が減り、たんぱく質やカロリーが不足した「低栄養状態」に陥ることもある。

 同研究会では、訪問栄養食事指導の利用を検討する目安として、代表的なケースを紹介=別表=。「飲食の際にむせやすい」という症状には、とろみを付けるなどの調理の工夫をする。栄養状態が悪いと皮膚も弱くなり、寝たきりの場合は床ずれもできやすくなるが、栄養管理で改善するケースも多い。

 「利用を希望する場合は、まずケアマネジャーや主治医に相談を」と前田さん。ただ、訪問栄養食事指導を行う管理栄養士はまだ少ない。同研究会ホームページ(http://www.houeiken.jp)に掲載されている実施機関一覧が参考になる。

 日本栄養士会は今年度、必要な知識と技術を持つ「在宅訪問管理栄養士」の認定制度を創設するなど、人材育成に力を入れ始めた。前田さんは「高齢者やその家族、専門職ら多くの人に、栄養ケアの必要性を知ってほしい」と話す。

訪問栄養食事指導の利用を検討したい主なケース
・退院後、自宅でどうやって食事管理をすればよいか分からない
・食事管理がうまくいかず、病状や身体機能が悪化している
・ホームヘルパーに、治療食や介護食作りを頼みたいと思っている
・栄養が足りているか、偏っていないか、心配
・食べる量が減り、体力が弱ってきた
 (全国在宅訪問栄養食事指導研究会まとめ)
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