子どものうんち
元気なう
(1)やわらかバナナ状が理想
子どもが腹痛を訴え、小児科に駆け込んだ際、「原因は便秘だった」とわかって驚くことは珍しくない。
さいたま市立病院小児外科部長で、子どもの便秘外来を担当する中野美和子さんによると、子どもは、便秘でも、相当たまるまで苦しいと感じないことがよくある。「一人で排せつができるようになっても、時々、親が状態を確かめてほしい」と話す。
うんちの回数は、1歳を過ぎると、大人と同様、1日3回~3日に1回になる。医学的には、3日に1回より少ないと便秘とされる。
形や色も見よう。水分と食べかすなどの割合で状態が変わる。理想は、水分が8割ほどで、茶色から黄色がかったやわらかいバナナみたいなうんちだ。
うんちが腸にとどまると、水分が減り、硬く重くなる。小石状で、黒ずんでいく。毎日うんちが出ても、コロコロうんちが少量出てすっきりしない、長時間いきんでようやく出る、などの場合、快便とは言えない。
便秘が進むと、下痢や便もれが起こる。大量のうんちがたまった腸は、炎症を起こしやすく、下痢になりやすい。ゆるい便が、たまった硬い便のすき間から漏れ出ることもある。下痢でなくても、うんちで腸が満杯になると便意がなくても、たまったうんちの先が少しずつポロポロと漏れてしまう。「もらすのは、しつけの問題」と誤解して、受診が遅れるケースもある。
治療はまず、かん腸や薬などで、子どもにすっきりした気持ちよさを実感してもらい、そのうえで腸の働きの改善を目指す。中野さんは、「1か月以上、便が出にくい状態が続いたら、小児科を受診してほしい」と話す。
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