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高知大サッカー部の「早寝 早起き 朝ごはん」

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 高知大学サッカー部は、総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントで準優勝したこともある強豪。今夏も四国予選で優勝し、全国ベスト16入りした。

 地方国立大学の活躍を支える要因の一つは、「早寝早起き朝ごはん」の取り組みだ。心が健康になり、集中力がアップし、ケガも減る効果があるという。

ケガ減り さえるプレー

「早寝早起き朝ごはん」の習慣を身につけることに取り組んでるサッカー部員ら(7月4日、高知市の高知大学で)=大西健次撮影

 120人のサッカー部員の熱気でむんむんする大学の講義室。教育学部教授の原田哲夫さん(49)(環境生理学)はイラスト付きのパンフレットを片手に「心が健康になり、集中力が増す。技術が身に着き、ケガも減るなど、運動選手にとって良いことずくめ」と、早寝早起き朝ごはんの効用を熱く説いた。

 高知でも24時間営業の店が増えて、一人暮らしも多い大学生の生活はどうしても夜型になりがちだ。運動部員も例外ではない。

 睡眠リズムを研究している原田さんは4年前から、サッカー部員を対象に「早起きの勧め」を始めた。
〈1〉朝起きて太陽の光を浴びる
〈2〉朝食に納豆などのたんぱく質をしっかりとる
〈3〉夜間のゲームやテレビ視聴を避ける
――などを呼びかけ、効果を調べている。

 朝の太陽の光は体内時計を正しく調整する働きがあり、朝ごはんのたんぱく質は「元気物質」(セロトニン)の原料になる。筋肉や血管の修復、記憶の整理は寝ている時に行われるため、体内時計を整えて、睡眠の質を高めることで、技術や判断力が高まる。ケガもしにくくなると期待される。

 大学生になって一人暮らしを始めたMFの横山雄大さん(22)(教育学部4年)は、早寝早起き朝ごはんを意識することで、2年生の夏ごろから試合に出られるようになった。横山さんは「生活が規則正しくなり、体が軽くなった気がする」と話す。

 35年間にわたりサッカー部の指導を続ける監督の野地照樹さん(62)は「ケガが減り、ベストメンバーで戦えることで、安定した成績を残せるようになった。選手たちの体のキレが良くなった印象だ」と評価する。

 土のグラウンドを野球部と共有するなど、サッカー部の練習環境は決して恵まれているとは言えないが、2009年は総理大臣杯で準優勝、10年は全日本大学サッカー選手権大会で3位に入るなど活躍している。

原田哲夫さん

 サッカー部員に睡眠の記録をつけてもらい、大学院生の和田快さん(25)が、4段階で自己評価したプレーの質との関連を調べたところ、早寝早起き朝ごはんを実践した部員ほど、「状況判断」「ボディーバランス」「動機付け」などが改善したと答える傾向があった。特に、夜間にゲームやテレビを控えると、改善の効果が高かった。

 「勉強しているのに、なかなか成績が上がらない」「いくら練習しても、楽器が上手にならない」。原田さんによれば、こうしたことにも睡眠リズムの乱れが影響している可能性があるという。

 原田さんは「睡眠が乱れている人は増えており、リズムを整えることは誰にとっても重要。特に、脳が発達する幼児期や、生理周期が確立する思春期の女性は意識してほしい。まずは、朝ごはんをしっかり食べ、夜の明るい照明を避けるだけでもがらっと変わる」と強調する。(杉森純)

早寝早起き朝ごはんの勧め
▽朝起きたら太陽の光を浴びる
▽朝食後にも太陽の光を浴びる
▽夜は明るい照明を避ける
▽朝食にたんぱく質をとる
▽夜のゲームやテレビを避ける
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