楽ラク介護術
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(17)工夫して楽しい入浴
年をとって体が思うように動かなくなると、自宅でお風呂に入るのがおっくうになります。家族などからは、誘っても拒否されるという相談をよく受けます。
でも、本当は入浴そのものが嫌なわけではないんです。浴室が寒い、床が滑りやすい、浴槽が深い、縁が高くてまたげない、など環境面の問題で入れない場合がほとんど。そうした人は、ちょっとした工夫で自宅のお風呂に入れます。
洗い場の床が滑りやすければバスタオルを敷きます。足が絡まないよう注意して。浴槽内には市販の滑り止めマットを。寒い場合は、シャワーのお湯を出しっぱなしにしておけば暖かくなります。最近は浴室用の暖房器具もありますね。
浴槽が深すぎる場合は中にすのこを置きます。自分に合う高さを選んで。浴槽の縁が高すぎる場合は、出入りの際にしっかり握れる手すりが必要です。または、縁の高さに合わせたシャワーチェアを横に置き、座ってから体の向きを変えて脚を入れるといいですよ。
介護用品も種類が増えています。自分の状態や環境に合わせて選びましょう。
入りたくなるお風呂のポイントは三つです。
まず、雰囲気。入浴剤を入れる、季節の花の花びらを浮かべる、音楽を流すなど、気持ちの良い楽しい演出も、時には必要です。
次に、タイミング。入りたい時間は寝る前か、夕食前か、日中か。つい介護する側の都合に合わせがちですが、生活習慣などから考えてみましょう。
一番重要なのは、誰と入るか。お孫さんが背中を洗うとか、家族みんなで関わることが大事です。
思わず「極楽、極楽」とつぶやいてしまうほど、入浴を楽しんでもらいたいですね。(青山幸広、介護アドバイザー)
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