文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

お知らせ・イベント

お知らせ・イベント

対談(4)病気になったら、発想の転換を

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

  どんなに精進しても病気と無縁で一生を終えることは難しいと思います。病気になった時には、気持ちにどう折り合いをつけたらよいのでしょう。

 鎌田 発想の転換をすることです。学校の先生をしていた東京都在住の男性は若くして脳卒中で半身まひになってしまいました。学校の先生が好きで、もう復帰したくて、命懸けでリハビリテーションしたんです。でも、2年たってもよくならない。学校側からはもう無理なんじゃないか、辞表を出したほうがいいんじゃないかって、優しく肩たたきされて、彼も辞表を書くんですね。書く前に、もう一回、鎌田先生に診てもらおうって、東京からやってきたんですね。

 医師たちは、動かない右手足に注目して必死に治療しますが、この方が諏訪中央病院に来た時、僕が言ったのは、「左があるじゃない。ちゃんと動き続けている左手足を使って、車いすを片手で運転できるようにして、学校に行きましょうよ。2年前まで元気だったときに教えられなかったことを、今だったら先生、大事なことを子供たちに教えられるよ」と。

病気になったことで、今までやれなかったことやれる

 病気になったら、病気になったことによって、今までやれなかったことがやれるようになる。発想の転換が大切なんです。右手足が動かなければ、動く左手足がある。このように発想を変えることです。

 「風子(ふうこ)さん」という40代後半の女性がいます。脳性まひで手は全く使えませんが、動く足で絵を描きます。

 ある小学校で講演会に呼ばれました。校長先生が「不幸にして障害を持った風子さんから命の大切さを学んでください」と紹介した。すると、風子さんはこう言ったんです。「不幸かどうかは私が決めることです。私は体が少し不自由だけど、不幸じゃありません」

 彼女は右足で字を書き、箸を持ちます。右足を使いすぎて動かなくなった時は、左足で字を書きました。発送の転換がとても上手です。

 幸せかどうかなんて、心の持ち方次第です。年をとるといろいろな壁ができますが、自分の良いところは残っていると考えることです。そう思っていれば人生が変わります。

  いつまでも健康で生き続けるために、地域社会や家族にはどういう役割があるのでしょうか。

 鎌田 人は一人では生きていけません。人々が良い関係を築いている地域や職場、家庭などの共同体が周囲にできると、自分がピンチになったときに助けてもらえる。年を取ることも怖くなくなります。そのかわり、ほんの少しでいいから、誰かのために汗をかこうと思うことです。(続く)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

お知らせ・イベントの一覧を見る

最新記事