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今こそ考えよう 高齢者の終末期医療

yomiDr.記事アーカイブ

食べられなくなったら、どうしたいですか

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食事介助をしている筆者
 
ミキサー固形食

 認知症の患者さんは、病気が進行すると食事の認識ができなくなり、目の前に食事があっても食べなくなります。そのため、介助して食べさせるのですが、次第にむせるようになります。脳細胞が減って、口や喉の筋肉の動きをコントロールできなくなるからです。

 むせのひどい時は全身が紫色になり、意識がなくなることもあります。そのため、食材をやわらかく煮たり、ミキサー固形食(料理をミキサーにかけた後にゼラチンで固める)を作ったりして、むせが少なくなる工夫します。そうすると、しばらくの間はむせないで食べるようになりますが、再び、むせるようになります。また、口を開けなくなったり、咀嚼せず、いつまでも口の中に食べ物をためたりするようになります。もう、体が食べ物を必要としなくなっているのです。その時は寝たきりで、しゃべることもできず、家族の顔もわかりません。認知症の終末期です。

 皆さんは口から食べられなくなったら、どうしたいですか。人間、食べられなくなった時が人生の終わりと考えて、枯れるように死んでいくか、それとも何もわからない寝たきり状態でも経管栄養や点滴で生きていくか。

 私が外来で診ている認知症の患者さんたちは、「わからない」と答える人を除くと、皆が「そんなこと(経管栄養)をしてまで生きていたくない」と言います。普段からどのように人生を終えるかを考えて、意思表示をしておく必要があります。大切な自分の人生を、家族や医療者の考えに委ねてはいけないと思います。(宮本礼子)

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201206終末期ブログ_サブナビ

宮本顕二、宮本礼子

宮本顕二(みやもと けんじ)
1976年、北海道大学医学部医学科卒業
北海道大学大学院保健科学研究院機能回復学分野教授

宮本礼子(みやもと れいこ)
1979年旭川医科大学卒業
桜台江仁会病院(札幌市)認知症総合支援センター長

ブログは2人が交代しながら書いていきます。

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18件 のコメント

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導きたい答えありきの問いかけ

あああ

「食べられなくなったら」その時の心身の状態が全てその通りであったなら、多くの人が記事の暗にほのめかす通りの答えに辿り着くかもしれません。 でも「...

「食べられなくなったら」その時の心身の状態が全てその通りであったなら、多くの人が記事の暗にほのめかす通りの答えに辿り着くかもしれません。
でも「嚥下困難」と「食欲不振・食への無関心」が必ずしも同時に訪れるとは限りません。また、その頃には「しゃべることもできず」「家族の顔もわかりません」「何もわからない」と断定した書き方をされますが、これも乱暴だと思います。
たとえ認知症末期で寝たきりの状態にあっても、食べる意欲があり、よく観察すれば、家族を認識し、何かを感じ表現していることもあるのです。
レアケースかもしれません。それとて遅かれ早かれ病態は記事の例示するような経過を辿ることでしょう。
でも一括りに問い掛け、ああそうだよねと簡単に同意できるほど簡単な形で「食べられなくなったとき」がやってくるとは限らりません。

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枯れ木のように

おせん

脳溢血、大腸がん、甲状腺がん、認知症、腰椎狭窄症の手術、硬膜下血腫、胆嚢炎と 7年ほどの入院。 つらいことばかりの85歳の母ですが、7月23日に...

脳溢血、大腸がん、甲状腺がん、認知症、腰椎狭窄症の手術、硬膜下血腫、胆嚢炎と
7年ほどの入院。
つらいことばかりの85歳の母ですが、7月23日には点滴もさせなくなり全ての治療を止め一日300ccの水のみになりました。
ひと月は持たないと言われた母ですが、35日が過ぎました。
規則正しい呼吸ですべての数値が安定しています。
痩せてはいますが、今までで一番楽そうです。
毎日反応のない母に少しでも楽しくと色々おしゃべりをしています。

不思議なことに、足や腕は枯れ木のようになってきたのに顔はつやがあるのです。
若い時から手入れを欠かさない母でしたから今効果が表れてきたのかしらと看護師さんと話しています。

あと何日生きられるのかわかりませんが、このまま自然に枯れて静かに逝くことを望んでいます。

息子夫婦も毎日様子を見に来ているので、私の時もこのように手をかけないでね、と話しています。

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迷っています

Nanako

67歳の父が肺気腫を患ってから寝たきりです。病気自体は良くなりましたが、食事を取らずみるみる痩せて起き上がれなくなりました。現在は介護施設に臨時...

67歳の父が肺気腫を患ってから寝たきりです。
病気自体は良くなりましたが、食事を取らずみるみる痩せて起き上がれなくなりました。
現在は介護施設に臨時入所していますが、あと一週間もすれば出なくてはなりません。
医師からは、食事さえとって栄養が確保出来ればと言われ、それが無理なら胃ろうも考えてみてはと。
父に尋ねると、そこまでして生きたくないと言いました。
自宅に連れ帰っても古い家ではベッドすら用意できずろくな介護はできませんが、それでも連れ帰って自然に任せるのが良いのか、新たな施設を探してどうにか食べる意欲の回復する方法を考えたほうが良いのか迷っていました。

こちらの記事や皆さんのコメントを見て、父の望むようにさせてあげようと感じました。
もしそれが父の早すぎる寿命だったとしても…

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